B級アクション映画風マンガの秀作 「スプリガン」の紹介

 こんにちは、榊原です。今日は、本の紹介です。たかしげ宙さん原作、皆川亮二さん作画の漫画「スプリガン」について紹介します。

 以下、色々書いていきますがこんな人におすすめです。

 ◆B級アクション映画が好み

 ◆超科学、オーパーツという単語を見るとワクッとする

 ◆難しいことを考えず、スカッとするマンガが読みたい

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目次

スプリガンとは?

 1989年~1996年にかけて、少年サンデーにて連載されたマンガです。全8巻。1998年にアニメ映画が製作され、2022年にはネットフリックスによる再アニメ化が決定されています。

あらすじ(ウィキペディアより)

 はるか超古代、現代を遥かに上回る科学力を持つ文明が存在した。ある遺跡から発掘された金属板に、その超古代文明の人々からの警告が記されていた。「我々の残した遺産を、悪しき者より守れ」と。

 そのメッセージに従い、特殊組織「アーカム」は、彼らの遺産(オーパーツ)をあらゆる権力から守り、封印するチームを結成した。

 アーカムのトップエージェントは、「スプリガン」と呼ばれる。この物語は、アーカムのスプリガンの一人「御神苗優」の戦いを描くアクション漫画である。

魅力

設定

 主人公の御神苗優は、高校生でありながらも、その実力から世界中の裏組織に名前を知られ、世界を股にかけて超科学の遺産を守るべく戦う、という男の子であればワクワクする設定がドバドバと入っています。

 パワードスーツは超金属のオリハルコン製で、超防弾使用の上、通常の30倍の筋力を発揮が可能。ナイフはオリハルコン製で、どんなものでも切り裂く(敵もオリハルコン製のスーツを着ますが、アッサリ切れます)というチート設定です。だが、それがよいのです。

 敵にしても、米軍の秘密部隊である機械化小隊(マシンナーズ・プラトゥーンという名前がまた良し!)やヒトラーの復活を目論むネオ・ナチスなど、B級映画で一度はお目にかかったような連中がガンガンご登場してくれます。

ストーリー

 世界中の遺跡から発掘されたオーパーツの争奪戦が主な軸となっており、長くても一巻程度で一区切りつきます。それぞれの話に関連性はほぼなく、登場人物も優以外はゲストキャラであることが多いため、サクサクと読み進めることができます。

 遺跡を背景に人間の欲や国家の利権、強大な力による平和の創出など、様々な意思が絡み合う事件を優が解決していくのは、スパイ映画やアクション映画を見ているようなドキドキがあります。

 科学の発展のし過ぎも考えねばならぬ、最も恐ろしいのは人間の欲だ、などの教訓めいた言葉もありますが、基本は殴り合いと撃ち合いで解決なので、頭を使うことはほぼありません(笑)。

 ハムナプトラ、ターミネーター2、インディペンデンスデイというのラインナップを見て、一つでも心に引っかかるものがあればこの作品を十二分に楽しめます。

キャラクター

 世界の存亡にかかわる事件を扱いながらも、学校の出席日数を気にする主人公をはじめ、人間離れした身体能力のジャンジャックモンド、気功術を操る物静かな、遺跡荒らしの少女染井芳野など、個性ある様々なキャラクターが登場します。

 内面的葛藤は正直ほぼありません。あくまでも自分たちのポリシーに忠実に動くキャラクターが、己の正しさを拳(駆け引きなどや騙しも含む)で証明するといった感じです。結構どのキャラもわかりやすい性格をしていますし、カラッとした気持ちの良い連中ですので、好感が持てると思います。

 優については、生死がシビアな業界に長く身を置いているにしては、ジャンに何度も指摘されるほど敵の死に対して甘い部分があり、若干気になるかもしれませんが、それは彼が持つ過酷な経験に基づくものであるため、納得のできるものだと思います。

 特に魅力的なのは、ネオ・ナチスの一員ボー・ブランシェです。最初こそ、ドーピングした敵キャラの扱いでしたが、優との再戦を期して組織を脱退し、「竜巻風神脚」という明らかにストリートファイターの竜巻旋風脚を意識した技を体得して帰ってきます。

 理想やあるべき姿を語り、理想に近づくべく邁進するという暑苦しいにもほどがある性格ですが、いつの間にかボーから迸る熱にやられて好きになっているという不思議な魅力に満ちたキャラクターです。

映画版について

 マンガとはちょっとずれますが、この作品の映画は、「AKIRA」で有名な大友克洋さんが総監修・構成などを担当しています。

 ジャンが初登場する「ノアの箱舟」事件(マンガ版2巻)を描いており、演出・演技・音楽など、高いレベルの作品でした。神を自称する少年に対し、「笑わせんじゃねぇ。人間に作ってもらった神様なんて、どこにいるよ!」という優のセリフがいい感じです。

 漫画版だと、小さいコマでサラッと言ってるセリフなんですけど、声優さんの演技のおかげか、非常に印象的なセリフになっていました。 

 そして、ラスボスである少年の棒読み演技が半端じゃなかったのも印象的でした……。

終わりに

 現在のサンデーにはあまりないタイプのB級アクション映画要素てんこ盛りの、読むとスカッとする気持ちの良いマンガです。

 ネットフリックスで放映されるアニメも楽しみですが、漫画版も独自の魅力があるので、ぜひご覧いただきたいと思います。

 それでは、また!

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ABOUT ME
榊原 豪
榊原 豪(さかきばら ごう)です。都内在住で、主にマンガ、映画、小説、アニメ等のエンターテイメントの情報を発信していきます。 楽しいこと、面白いことを探すのが好きですし、「何を『面白い』というのか?」という考察なども結構好きです。 よろしくお願いします。