こんにちは、榊原です。今日は、本の紹介です。「イラストでまなぶ!用兵思想入門」についてご紹介します。
用兵の入門書に最適!
イラストでまなぶ!用兵思想入門 近世・近代編
楽しく、分かりやすく学べる
内容は専門的
戦術の「歴史」としても面白い
面白さ
わかりやすさ
他の物語への応用
おすすめ度
目次
イラストでまなぶ!シリーズとは?
スナイパーやロシア軍など、軍事的な物事について、イラストを用いて解説しているシリーズです。作者は一人ではなく、分野ごとに異なっています。
イラストはいわゆる「萌え」系ではありますが、内容はいたって真面目で詳細に解説しています。じゃあ、普通のイラストにすればいいんじゃ?と思うかもしれませんが、この緊張感のないイラストであるからこそ読める面があるため、読みやすくしている思います。
本書の構成について
古代ギリシアの戦術から解説をはじめ、戦術論はどのような歴史をたどってきたのか、主にヨーロッパを中心に解説していきます。
戦争には普遍の原則があると考える者、「戦場の霧」という不確定要素があると考える者、指揮系統を集中するべきだと考える者、トップから各隊長へ委任した方が効率的だと考える者、様々な考え方が出てきます。
技術革新や戦線の拡大などでも戦術論は改善を余儀なくされ、その時の状況に適したものになっていくため、普段自分が知らない世界を知ることができ、わくわくします。
物語が楽しくなる
近年ですと、アニメ「コードギアス反逆のルルーシュ」、ちょっと前ですと小説「皇国の守護者」は、寡兵を用いて多数の相手に勝利しようとする物語でした。
勿論アニメ等はエンターテイメント要素を重視しているため、戦術的な面を細かく言及するわけではありません。
ただ、少ない兵を最大限運用するのは用兵の基本なので、そういう観点から作品を見ると楽しめると思います。
例えば、本書で言及されるアメリカ陸軍の戦いの9原則「目標」「指揮系統」「集中」「簡明性」「警戒」「奇襲」「機動」「攻勢」については、上記の作品は勿論、戦術的要素を持つ作品の多くに共通する観点であるため、読書や映画鑑賞がより楽しめます。
残念な点について
本書自体の内容ではないのですが、本書発刊の時点では2021年秋ごろに現代編の発売を予定していましたが、2022年1月現在で発売しておりません。
発売自体が2021年3月末日のため、まだ一年経過しておらず、発売する見込みが全く無いわけではないので、期待して待ちましょう。
終わりに
フルカラーで150ページほどでさっくりと読める、先述の入門にうってつけの一冊だと思います。フィクションの影響で用兵に興味がある方も、物語を楽しむための教材としたい方も、ぜひ一度お手に取っていただけばと思います。
それでは、また!