こんにちは、榊原です。今日は、謎解きゲームの紹介です。SCRAP出版から発売された「ジャックアイズ 7月のトロイメライ」についてご紹介します。

前半はゲームの概要や魅力の紹介、後半にネタバレを含んだ感想を書いていきます。

あらすじ(公式ホームページより)

夏休み前日。
うだつの上がらない高校教師に教え子が相談したのは、
ある未解決事件の調査協力だった。

十数年前、教師の母校でもあるこの学校で
幼なじみの女子生徒が屋上から転落し、謎の死を遂げた。

真相解明の鍵を握るのは、
誰かが見た光景をそのまま盗み見ることができる不思議な霊玉、ジャックアイ。

その瞳を通して見えてくるのは、当時の友人たちの意外な素顔。
誰も知らなかった関係性。そして、ずっと隠されてきた秘密……。

さまざまな視点から提示されるいくつもの謎が時空を超えて結びつき、
事実が次々と明らかになっていく。

2人は未だ終わらないこの事件のすべてを目撃し、
決着をつけることができるのだろうか……?

概要

「誰が」「いつ」「何を手にしているか」を指定して、他者の視点を覗き見て手掛かりを得ることが特徴のゲームです。

ある人の視点を見ている時に、別の人の発言が次のヒントになっていたり、「喫茶店」→「カップ」など、場所だけがわかって、手に持つものを連想して指定していきます。

話を聞き流していると、次のヒントが得るのが難しいため、何回か詰まりました。

魅力について

①伏線の充実

パッケージに書いてある「10分に一回の衝撃」はさすがに盛り過ぎですが、ある人物の不可解な行動、自殺した幼馴染が遺した言葉など、散りばめられた伏線が回収された時には声を上げること請け合いです。

序盤から気になるワードがいくつも散りばめられるので、先を読もうとする手が止まりません。

②感情移入しやすいキャラと、彼らの事件

少年時代から高校時代をメインにキャラの成長や関係性の変化を見ていくので、プレイの中盤に差し掛かるころにはすっかり感情移入しています。

彼らの関係性を見ているうちに、事件が思わぬ方向に転がり、この物語がどういう事件を扱っているかを知った時の衝撃を味わってもらいたいです。

難点について

①複雑な事件と多いキャラクター

10年前に死亡した幼馴染の事件が主軸ではありますが、語られる時系列がバラバラな上、長期間にわたる物語なので、事象と人間関係の整理をしておく必要があります。

また、幼馴染の数が8人というのは、ちょっと多すぎると思いました。彼らの名前と行動を把握するのはちょっと難儀します。システムで簡単なまとめを見ることはできますが、充分ではありません。

②画面が小さいと大変

地の文もセリフも音声はなく、全て文字で読むことになります。加えて、流し見していると次の展開へのヒントが得られないため、できるだけ大きな画面でプレイした方がいいでしょう。 

まとめ

一部の展開やキャラクターに思うところはあるものの、先を読ませるシナリオは見ごたえがありますし、伏線の回収が見事な作品でした。

プレイ時間も5,6時間もあれば十分かと思うので、サクッと面白い物語を読みたいという人にお勧めです。

各キャラクターの雑感について

以下、各キャラクターの雑感をネタバレ全開で書き散らしていきます。真相に触れる部分もあるので、未プレイの方は注意してください。

ロッキー

主人公……とはいいつつも、活躍したのは最後の改変だけで、あとは大した動きをしなかったような。

ワタリとサヨの恋愛関係、ワタリの苦悩など、幼馴染の人間関係や心情を全くと言っていいほど把握していないので、こいつら本当に親友なのか疑わしくなることもしばしばありました。

エンディングでは『良きこと』のように描かれていますが、進学をやめてミュージシャンを目指すことを焚きつけるのはマジで無責任の非難を免れないと思います。

進学しても音楽活動はできるんだし、生徒が極端から極端に走るのを諫めるのが教師の役目かと。楽器の経験もない奴がプロ志望で始めようとするのはいくらなんでも無謀過ぎ。

もっちゃん

ワタリとサヨのデート現場を目撃して傷ついたり、サヨの葬式で涙したりと、すげー損な役回りな善人でした。

肝試しで懐中電灯を持っていない友人を置き去りにするのは罪だけど、その罰としてはあまりにも重すぎると感じました。

カンダタ

トイレに行って、友達にハンカチを借りようとするのは全く理解できません。ドン引きせずにおしぼりを渡すナベコウ君は本当に偉いと思います。

ナベコウ

肝試しでジャックアイを入手する、超重要キャラなのに、話の核心にはほぼ関わらないのでびっくり。

改変後の未来では、タイムカプセルに入れたジャックアイを掘り出しているので、使用方法に気づいたときに新たな物語が始まってしまうような気がします。

ユウカ

「死ぬまで借りておくね」と笑って借りたDVDを葬式で返すシーンが最高にきつかったです。内容がゾンビ映画なのは笑い話にもならない。

隕石落下のシーンで、公衆電話近くで電話していたのを見た時は『こいつか!』と色めきましたが、全然関係ありませんでしたね。疑って申し訳ありませんでした。

リンネ

カッコいい幼馴染に呼び出されたと思ったら未来の殺人で罵られた挙句、屋上から突き落とされるという不憫のフルコースが最悪。ワタリからの告白を期待していた感じなのが、またきついんですよね……。

ロッキーのサボり誘導からの気づきと、サヨとの友情で歴史改変後は幸せになってもらいたいです。

あと、ワタリは必要とあらば殺しも厭わないプッツン野郎なので、歴史改変後でも関わらない方がいい。

サヨ

タイムカプセルを掘り出すシーンで、サヨの未来での死を知る時がこの物語最大の衝撃でした。光が落ちてきたっていうから、コンサートホールでライトが落ちてきたのかと思いきや隕石落下とは。ガンダムのコロニー落としかよ。

ワタリとのデート中の「昔のことなんだし、いっか!」は、大場のじいちゃんの殺人スイッチを完全にオンにしていて呻き声が漏れました。

自分が知らないところで、ワタリと大場のじいちゃんの心をかき乱しているので、ある意味魔性の女なのかもしれません。

ワタリ

絵馬に「リンネが死にますように」と書くサイコキラー。病弱には同情するけど、勘違いから幼馴染を殺した挙句、罪の自覚も後悔もないので、ケジメがついていないような。

リンネ殺害の時にジャックアイを失っているので、サヤの死亡が回避されていないことを知らず、彼の中でリンネの死は『正義の行い』として消化されているんですよね。

大場のじいちゃんもなのですが、物語上の決着として、二人の殺人者には、自分の犯した罪が何の意味もなかったことを知ってもらいたかったです。

大場のじいちゃん

自分が未来を覗き見したことがきっかけで孫を死なせているのに、他の子を殺して帳尻を合わせようとするサイコキラーパート2。

未来を見たことは善意から始まっているけど、トオルの死は完全にあんたのうっかりだからな、と突っ込まざるを得ません。低学年の男の子と、道路にボールが出るような場所で遊ぶのはダメでしょ。

エンディングでトオルの生存に涙していたけれど、自分の努力の結果で成し遂げたような顔をしていやがるので、喜ぶことができませんでした。

歴史改変後もジャックアイは手元にあるはず(2個も!)なので、取り上げた方が世のためだと思います。

終わりに

謎解きゲームは、キットは何作かプレイしましたが、こういう形式のものは初めてプレイしました。次があれば必ず買うので、次作も発売してほしいです。

それでは、また!

ABOUT ME
榊原 豪
榊原 豪(さかきばら ごう)です。都内在住で、主にマンガ、映画、小説、アニメ等のエンターテイメントの情報を発信していきます。 楽しいこと、面白いことを探すのが好きですし、「何を『面白い』というのか?」という考察なども結構好きです。 よろしくお願いします。