アクションパートもシミュレーションパートもやりたくない、ただ面白いシナリオが読みたい人向けのゲーム4選
こんにちは、榊原です。シナリオ重視のゲームは数あれど、そのシナリオを味わうためにアクションやシミュレーションをやりたくない人もいるかと思います。
そんな人向けに、今回は、純粋に演出、文章、ゲームならではの仕組みでシナリオを楽しむゲームを4本紹介します。
1.CHAOS;HEAD NOAH(カオスヘッドノア)
あらすじ(公式ホームページより)
現実? 妄想? きみの真実はどれ?
「三次元に興味はないよ」と言い切り、基地(ベース)と呼んでいるコンテナハウスで
大量の美少女フィギュアに囲まれながら生活する、引きこもり一歩手前の高校2年生、西條拓巳。
彼が住む渋谷では、
『ニュージェネレーションの狂気(通称:ニュージェネ)』と呼ばれる連続猟奇殺人事件が発生し、ネットやテレビを日々騒がせていた。
ある日、いつものようにチャットをしている拓巳の前に、『将軍』と名乗る人物が現れる。
彼が発言したURLのリンク先にあったものは次のニュージェネ事件を予言するようなグロ画像だった。
さらに、翌日、拓巳は、予言された通りの殺され方をした、凄惨な事件現場に遭遇する。
そしてその遺体の前には、血まみれの少女——咲畑梨深が立ち尽くしていた。
拓巳の平穏な日々に猟奇事件の影が忍び寄っていた——。
魅力
どんどん取り返しのつかない方向に展開していく事件に、頭を揺さぶられているような感覚を覚えます。常軌を逸した殺人事件に巻き込まれ、じわじわと危機が迫る恐怖が魅力のシナリオです。
主人公もヒロインもオカシイ人だらけで、友達になりたいと思える人はいません。シャレにならないレベルのトラウマを背負っている人多数で、感情移入するとこちらの精神がやられるので、これくらいの方がいいのかもしれません。
欠点は、発生時にワクワクさせてくれるニュージェネの事件が、種明かしを聞くとテンションが下がることでしょうか。これは、本作の問題点ではなく、不可思議な演出がある物語は常にこの要素をはらんでいるので、様式美のようなものかと。
科学アドベンチャーシリーズは、シュタインズ・ゲートがあまりにも有名で埋もれがちですが、一読の価値ありです。
2.CHAOS;CHILD (カオスチャイルド)
あらすじ(公式ホームページより)
『渋谷地震』と呼称されることになった震災から6年。物語は西暦2015年10月──復興中の渋谷区からスタートする。
碧朋学園新聞部の部長、宮代拓留(みやしろ たくる)は、とにかくゴシップが好きだ。
そんな彼の元に複数の事件情報が舞い込む。
ある者はネット中継で公開処刑され。
ある者はストリートライブ中に歌いながら殺され。
そしてまたある者は、ホテルで天井から釣られ……。
宮代達は事件を調査しながら、ある事実に気づく。
これは、6年前に渋谷を恐怖のどん底に落としたとある事件の再来なのだと。
渋谷で覚醒しつつある妄想具現者『ギガロマニアックス』たち。彼らの胎動により妄想の扉が再び解き放たれる
……かもしれない。
魅力
カオスヘッドの続編にあたる作品です。前作と同様、不可思議な殺人と、どこへ連れていかれるのかわからない、正にカオスな展開が魅力です。
前作が二転三転する勢いを重視していたのに対し、今作は伏線の張り方が丁寧で、つい見過ごしてしまうような会話が、重要な意味を持っていたことに気づいたときは震えます。
一応、カオスヘッドをプレイしていなくても成立するように気を配ってはいますが、シナリオの中核に「ニュージェネレーションの狂気」と「西條拓巳」を据えているので、マストと言っていいでしょう。
「あなた、殺されますよ。西條拓巳先輩」「僕はこの、くそったれなゲームをクリアした」など、印象的なセリフやキャッチコピーが多めなのもナイス。
前作のカオスヘッドと合わせたソフトが一本で楽しめるパックが発売されているので、これから始める方にはこちらがおススメです。
3.シロナガス島への帰還
あらすじ(公式ホームページより)
大富豪の遺書の中に残された『シロナガス島』への招待状。
ニューヨークで探偵業を営む男『池田戦』は特殊な能力を持つ少女『出雲崎ねね子』と共に島へと向かう。
そこで起きる数々の奇怪な殺人事件。
果たしてシロナガス島に隠された真実とは……?
すべての謎を解き、呪われた島から脱出せよ!
魅力
ミステリー・サスペンス・SFなど、複数のジャンルをまたぎつつ、どこかで見たような材料であろうとも、調理方法が巧みなら美味しいということを教えてくれる作品です。
池田と相棒ねね子のバディの関係性、謎が謎を呼ぶ展開、島に隠された秘密、タイトルの意味など、全てが高水準でまとまっています。
オマケシナリオの悪ふざけぶりは数あるビジュアルノベル中でも随一です。続編は体験版が発表されてから久しいですが、発売はいつになるのか……。
オープニングで示される「This world is not real」の意味を、是非ご覧ください。
スイッチ版はダウンロード版しか確認できませんでしたが、STEAMなどでもプレイできるので、そちらが良いかもしれません。
4.レイジングループ
あらすじ(公式ホームページより)
妖しげな因習と信仰に塗れた限界集落、休水に迷い込んだ旅行者・房石陽明を待ち受けていたのは、かつて人が殺した神の使い“おおかみ”による殺人儀式・黄泉忌みの宴!
人狼伝説に基づいたこの惨劇の輪廻を、何度でも甦る「死に戻り」の男となった房石は、果たして阻止できるのか―!?
魅力
何度繰り返しても解決が困難な殺人事件の奥深さと主人公「房石陽明(ふさいし はるあき)」です。この主人公、最初はソフトですが、中盤からヤバさの片鱗を見せだして、容疑者を拘束するにあたり、足をへし折るとか周囲がドン引きするセリフをのたまい、口があんぐりです。
ループする状況下での殺人事件解決という異常な状況ですが、房石が淡々と事件の核心に近づくのが気持ちよく、長時間のプレイも苦痛になりません。
物語は房石の一人称で始まるのですが、途中から、他の登場人物が何を考えていたのかが開示されるのも好ポイントです。そのためにボリュームがえらいことになっていますが……。
エンディングは非常に爽やかさで、長い物語の結末に相応しいスッキリ感が最高です。
終わりに
とにかくシナリオを楽しみたい、という方にお勧めの作品をご紹介しました。少しでも気になった作品があれば、プレイしていただけると嬉しいです。
それでは、また!