映画

『面白い』映画を見たい、全ての人へ 映画「爆弾」の紹介

こんにちは、榊原です。今日は、映画の紹介です。10月31日より公開が開始された映画「爆弾」についてご紹介します。

基本ネタバレはありませんが、ホームページで公開しているあらすじやキャラクターについて触れますのでご了承ください。

あらすじ(映画.comより)について

酔った勢いで自販機と店員に暴行を働き、警察に連行された正体不明の中年男。自らを「スズキタゴサク」と名乗る彼は、霊感が働くとうそぶいて都内に仕掛けられた爆弾の存在を予告する。

やがてその言葉通りに都内で爆発が起こり、スズキはこの後も1時間おきに3回爆発すると言う。スズキは尋問をのらりくらりとかわしながら、爆弾に関する謎めいたクイズを出し、刑事たちを翻弄していくが……。

ストーリーについて

映画が開始してすぐにスズキが登場し、事件が発生するので全く退屈しません。取調室チームはスズキとの対決で心理的な緊張感を、爆弾を探すチームは広い都内での手掛かり捜索という物語の動きを担っていました。

物語の概要が掴めた辺りで、スズキが心理ゲーム『九つの尻尾』を提案してきたり、警察関係者が瞠目するワードをぶっこんできたりと、道化としての役割を心得た趣向をやってくれます(笑)。

尋問を受けている側のスズキが大仰な口調と、爆弾という破壊をちらつかせて警察を翻弄していくのは、後ろ暗い面白さがありました。

キャラクターについて

本作は良くも悪くもスズキタゴサクという強烈なキャラクターが光ります。おそらく多くの人が言及していると思いますが、ダークナイトの「ジョーカー」的な存在なんですよね。

無邪気に人を傷つけ、社会の建前を陥れ、隙あらば他人をその闇に引き込もうとする姿は腹立たしくも憎めません……いや、目の前に来たら嫌ですが(笑)。

超然とし過ぎてて、字面だけみると「こんなやついるかよ」と思うキャラクターなのですが、佐藤二郎さんが渾身の演技でやり切ってくれています。小説版を読んだ時、スズキタゴサクの実写化は難しいなと感じましたが、凄い人がいたものです。

警察官サイドでは、渡部篤郎さん演じる清宮がいい味を出してました。スズキとのやり取りの中で、「2週間に一回は髪を切る」「スーツで退屈な自分を隠している」など、パーソナリティに触れる発言があるので印象に残る人が多いのではないでしょうか。

清宮がスズキに「優秀だがスニーカーを履いている良くない男がいる」と話すシーン、類家と明言しないんですが、その後で類家がスニーカーを履いているところが映るんですよね(笑)。

構成や演出について

取調室でスズキと向かい合う者、爆弾を探す者、スズキの動機を調べる者など、爆弾事件を群像劇のスタイルで描いています。

小説版だと取調室の緊張感が印象的でしたが、劇場版は爆弾による破壊という視覚効果で強烈に惹きつけられます。爆発の被害が生々しく、見知った都内で起きている光景に息をのみました。

読んでから観るか、観てから読むかについて

僕は小説を事前に読んでいましたが、読んでいなくてもちゃんと理解できる作品になっていますので、映画から見て全く問題ないです。

ただ、小説版は、それぞれのキャラクターを深掘りしていますし、映画では(おそらく)尺の都合で語れなかった話もちょいちょいあるので、映画を先に見た方は是非小説も読んでいただきたいです。

特に刑事課長の鶴久のエピソードが根こそぎなくなっていたのはちょっと残念でしたねー。あれを入れるとテンポが悪くなると思うんですが、娘との電話は人間的な深みが出ているいいシーンだったので。

created by Rinker
¥1,980 (2025/11/07 14:36:49時点 楽天市場調べ-詳細)

終わりに

エンタメとして激推しの映画です。特に東京都近辺にお住まいの方は、知っている場所が言及されて二ヤリとすること請け合いです。

興行収入が良ければ2も製作されると思うので、是非見に行ってください。僕も応援するために2回目に行きます。それでは、また!

created by Rinker
¥2,200 (2025/11/07 14:36:49時点 楽天市場調べ-詳細)
ABOUT ME
榊原 豪
榊原 豪(さかきばら ごう)です。都内在住で、主にマンガ、映画、小説、アニメ等のエンターテイメントの情報を発信していきます。 楽しいこと、面白いことを探すのが好きですし、「何を『面白い』というのか?」という考察なども結構好きです。 よろしくお願いします。