こんにちは、榊原です。暑い日が続きますね。この暑さに耐えられる人種しか生き残れないのでしょうか。
というわけで、TOHOシネマズ新宿で8月1日より公開が開始された「アンティル・ドーン」を観てきたので、感想をあれこれと書き散らしていきます。
ネタバレもガンガンしているので、知識なしで観たい方はご注意ください。
鬼滅の刃がスクリーンを占拠しているからか、公開してさほど日が経過していないのに、一日に2回だけの上映でした。ジュラシックワールドや国宝など、面白そうなタイトルがかかっているのに、何故か満席。この人たちは他に見る映画がないのかと突っ込まざるを得ません。
概要
ゲーム「アンティル・ドーン」の実写版となります。ゲームはは2015年発売なので相当前ですが、昨年にフルリメイクされています。モーション・キャプチャー元にボヘミアンラプソディーでアカデミー賞を受賞したラミ・マレックが起用されていて驚きました。
今作はゲーム版と「山荘」つながりではあるものの、ストーリー的に関連性は乏しいです。小ネタが挟まれる程度で、本編を理解するのに予備知識は全くいりません。
登場人物はメインで5人。失踪した姉を探しに来たクローバー、元カレのマックス、友人のニーナとその恋人エイブ、霊能力があると吹聴するミーガンです。
彼らが、閉じ込められた山荘からいかに酷い目にあい、抜け出すのかということが本作の肝になります。
あらすじ(ホームページより)
主人公クローバーと友人たちは、1年前に失踪した姉のメラニーを探すために訪れた山荘で突然現れた覆面の殺人鬼によって惨殺される。一度は死んだはずの彼らだったが、目が覚めると驚くべきことに殺される前の時刻に戻っている!そして再び命を狙われ、残酷に殺され、また時間が逆戻りして生き返る…。追体験の度に異なる殺人鬼が現れ、殺され方も変わり、惨劇が倍増加速していく──!
やがて彼らは、この<恐怖のタイムループ>から抜け出す唯一の方法は、死を繰り返しながら謎を解き、夜明けまで生き残ることだと気づくが…。
ストーリーについて
開始30分の状況設定パートは意外に面白いですw。クローバーの姉が失踪していること、キャラクターの関係性、山荘に閉じ込められて最初の死を迎えるまでがテンポよく描かれます。
問題なのはその先で、早々にタイムループに気づいた主人公たち一行ですが、死を繰り返せるという利便性を活用することができず、ほぼ手掛かりを掴めず何度も死んでいきます。
あらすじだと、「死を繰り返しながら謎を解き」となっていますが、特に謎は解きません。姉の結末と黒幕の正体に気づくのが成果と言えば成果ですが、生き延びるための力になっていませんでした。
おまけに、4,5回死んだと思ったら、「なんか覚えていないけど、どうやら今回が13回目でラストチャンスらしい」ということになって爆笑しました。
死ぬと記憶が曖昧になる、動画は保存されている(時間が巻き戻っているはずなのに!)など、製作者側の都合で設定をいじくりまわした結果、わけがわかりません。
終盤で黒幕から、クローバーの精神エネルギーが惨劇を引き起こしているような話がありましたが、死のタイムループは来訪者に平等に訪れているらしいので、最終的には考えることを放棄せざるを得ませんでした。
演出について
ゲームのPVでも出ていた仮面の男からの斧に始まり、婆からの毒攻撃、ゾンビの強襲など、様々な恐怖が主人公たちを襲いますが、似たようなシーンを数回見せられるので、飽きが来ます。
唯一、風呂場の水を全員で回し飲みすると、体が爆発四散するという謎演出は完全に予想外で面白かったです。劇場ではクスリとも笑いが起きなかったので、僕の笑いのツボがおかしい可能性がありますが……。
終わりに
最初は椅子で殴られても平気な仮面男が、13回目からは耐久力が激減していたり(押された程度でよろめく)、風呂場に密集しているだけで割と最後の方まで生き残れたり、ミーガンの霊能力が何一つ役に立っていなかったり、タイムループのはずなのに13回目はスタート地点が違ったりと突っ込みどころを上げるときりがありません。
全くおススメはできません。飲み会をする前に友達と話のネタにするために仕込む程度にみるのがいいと思います。配信が始まったとしても、見る必要はありません。類似したネタで「ハッピー・デス・デイ」という傑作があるので、そちらを観ましょう。
それでは、また!