こんにちは、榊原です。今日は謎解きゲームのキットの紹介です。7月にSCARPから発売された「忘れ物探偵と一万人の中に消えていった歌声」についてご紹介します。
この記事では、作品の概要と前作までとの変更点をざっくりした感想を交えて書いていきます。ネタバレはありませんが、作品のトーンには触れますので、ご注意ください。
忘れ物探偵シリーズについて
忘れ物を端緒に事件の核心に迫る、人間ドラマ部分と謎解きを楽しめるキットのシリーズです。「忘れ物探偵と消えた少女」「忘れ物探偵と放課後のショートフィルム」に続いて3作目となります。
ヒント機能が充実していて、登場人物の会話の調子が明るいことが特徴のシリーズです。
あらすじ
あなたは、忘れ物から持ち主の素性や行方を推理する「忘れ物探偵」。
大型音楽フェス「ハルハラミュージックフェス」。本番直前、出演予定だった女性シンガーが姿を消した。マネージャーからも連絡が取れず、現場は騒然。
残されたのは控え室にあった手帳、雑誌のチェック用出力見本、そしていくつかの”忘れ物”。
そこから彼女の足取りを追い始めるあなたは、やがて”彼女が隠していた秘密”にたどり着く。
本番まで、残された時間はわずか。1万人の観客に、
彼女の歌声を響かせることができるのか。
本作の特徴について
最大の特徴は、前2作までと異なり、ドラマパートがイラストではなく実写の動画となった点です。これは旧2作をプレイした人は結構驚くのではないでしょうか。
しかも、アニメの世界観を実写にしたからか、登場人物全員が結構オーバーな演技で癖が強めです。
今作のシナリオはちょっと重めなので、それを考慮した変更点なのでしょうか。今作のシナリオを今までと同じアニメ調のドラマパートでやるのは相当に違和感がある内容だとは思いました。
実写への変更により、事件の内容の幅がググっと広がったと思える一方、演技のテンションや絵作りについていけないという人も一定数いるかと思います。次作がどうなっているかに注目です。
クリア時間と難易度について
公式では約3時間程度となっていて、大人2人でそのくらいで終わりました。キットが大きいので難儀しましたが、喫茶店でアイスコーヒーを飲みながら楽しくプレイできました。
難易度は、前2作と比較しても簡単だったように思います。最近主流の、ラインを使った回答方法だからか、テンポよく回答できる謎が多めです。反面、一つ一つの重みが少なく、爽快感の減少につながっていたので、ここは致し方ないところなのか。
また、キットの一つである「エドガー式思考推測法」の使い方が最高に面倒くさいです。バラバラの紙片を繋ぎ合わせて、対象者の心情を焙りだすのですが、小さい紙片が動いてやりづらかったです。これは、僕が喫茶店でプレイしていたことも多分に影響していますが。
シナリオについて
特徴の部分でも触れましたが、前2作と比較して格段にアダルトな内容です。対象年齢が12歳以上を推奨としていますが、この内容についていけるのか、若干疑問でした。
よく考えれば今までも忘れ物探偵シリーズはゲンさんの設定とかちょいちょい重めの内容をぶっこんできているので、今更かもしれません。
終わりに
3作目で実写化の変更に舵を切った、最大の実験作と感じました。ドラマパートは過去2作と比較して短めですが、バランスは良くなっていると思います(以前は動画10分とか平気であったので、若干長く感じた)。
次作があれば、間違いなく買うと思わせる完成度です。まだまだ暑い時期が続くので、喫茶店でまったりと安楽椅子探偵を気取りましょう。
それでは、また!