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完全に終わらせるという気概は買うけれど、これでいいのか?「サンダーボルトファンタジー 最終章」について

こんにちは、榊原です。2月21日より上映が始まった「サンダーボルトファンタジー 最終章」を鑑賞してきたので、思ったあれこれを書いて行きます。

致命的なネタばれは避けますが、匂わせ程度は書きますので、全くの知識なく鑑賞したい方は、鑑賞した後でお読みください。また、あらすじで第四期のネタバレがありますのでご注意ください。

「サンダーボルトファンタジー」とは?

「魔法少女 まどか☆マギカ」などで有名な虚淵玄さんが原案・脚本・総監修を手掛けている人形劇です。CGで表現された剣檄や緻密に寝られたシナリオ、丁々発止のやり取りなど、多くの魅力が詰まったシリーズです。以前、こちらで紹介しているので、お読みいただけると嬉しいです。

あらすじ(公式ホームページより)

凜雪鴉、殤不患、裂魔弦の共闘により魔神化した刑亥を倒したものの、救出すべき浪巫謠は依然魔王城の炉心で悪夢に魘されたまま。

浪巫謠を諦めずにいた嘲風も、禍世螟蝗の手ほどきで神蝗盟の法師・葬心嬌と化し、再び魔界に踏み入れる。
魔王による再来の窮暮之戰で、地上を焼き尽さんと押し寄せる魔界の軍勢を、護印師を先頭に人間たちが迎え撃つ……!

驚天動地の幻想奇譚、ここに堂々の完結!

良かったところ

色気を残さない完全決着

タイトルにも書きましたが、間違いなく今回でサンダーボルトファンタジー(以下「サンファン」)は完結です。

機会があれば外伝作品を発表するのかもしれませんが、正式な続編はないでしょう。そう言い切れるほど、綺麗に完結しています。

十年にもわたるシリーズをたたむのは並々ならぬ決意を要したことでしょう。素直に、お疲れさまとありがとうございましたと伝えたいです。

キャラクター間の関係の決着

最終章では、殤不患(ショウフカン)と禍世螟蝗(カセイメイコウ)、浪巫謠(ロウフヨウ)と阿爾貝盧法(アジベルファ)、浪巫謠(ロウフヨウ)と嘲風(チョウフウ)など、第4期までにため込んだ因縁を清算していきます。

最終章らしく、物語がストンストンと終わっていく感覚が心地よかったです。

イマイチだったところ

盛り上がりに欠ける最終戦

そもそもサンファンは1期が一番シナリオの完成度が高いんですよね。2期以降もつまらなくはありませんが、キャラクターや設定が増えすぎて、シナリオが薄味になってしまった感があります。

最終決戦も、予想していたラスボスだったのですが、決着の仕方が首をひねるものでした。思い返してみると、ボスの処理方法が全部同じからかもしれません。

事務的な伏線回収

90分という上映時間のためか、各伏線回収がサクサクと行われるので、さほど爽快感がありません。

また、4期で張られた殤不患(ショウフカン)の出生の謎も回収されますが、この回収があるキャラクターを絶望のどん底に叩き落しています。キャッチコピーが『あばよ、大団円』なのですが、これが大団円と言っていいのか疑問です。

振り返ると、2期以降は、結構付け足し感があったのが残念です。観ている時は面白いんですけどね。

終わりに

4期まで見てきた人は必見の完結編です。文句も言いましたが、目を見張るような伏線回収もありますし、何よりもこれまで楽しませてくれたキャラクターたちとの別れには感無量です。

ただ、1期のエンディング(雨傘の伏線回収が最高!)を超えるものではないかな、と感じました。これからサンファンを観ようかな、という人は、2期以降は気が向いたらでいいと思います。

ABOUT ME
榊原 豪
榊原 豪(さかきばら ごう)です。都内在住で、主にマンガ、映画、小説、アニメ等のエンターテイメントの情報を発信していきます。 楽しいこと、面白いことを探すのが好きですし、「何を『面白い』というのか?」という考察なども結構好きです。 よろしくお願いします。