こんにちは、榊原です。先日丸の内TOEIで韓国映画「シュリ」を鑑賞して思ったあれこれについて書いて行きます。ややネタバレなのでご注意ください。
概要
1999年に公開されたアクション映画です。派手なガンアクションと恋愛劇が話題となりました。ストーリー上で南北統一が事件の核心にあるあたり、時代を感じます。
あらすじ(公式ホームページより)
要人暗殺事件を捜査中の韓国情報部員、ユ・ジュンウォン(ハン・ソッキュ)とイ・ジャンギル(ソン・ガンホ)。犯人と目される北朝鮮の女性工作員を追跡するふたりは、強力な破壊力を持つ液体爆弾を用いてのテロの脅威を知る。ターゲットは南北両首脳―。
映画を見ての感想
導入
オープニング数分は、北朝鮮のスパイ養成機関の訓練シーンとなっており、凄まじい迫力があります。極寒でのサバイバル訓練、囚人を使っての殺人訓練など、本当に北朝鮮はこういう養成をしているのではないかというリアリティと緊張感がありました。
福井晴敏さん著作の「亡国のイージス」で描かれた訓練シーンを彷彿とさせる、素晴らしい導入だと思います。
ただ、残念ながら本作で一番面白いシーンがここで、後はがっかりさせてくれます。
活躍しない主人公たち
主人公ジュンウォンと相棒ジャンギルは北朝鮮の凄腕工作員イ・バンヒを追っているのですが、手掛かりを見つけたと思った途端に先回りされて潰されます。この展開が2回あります。
続いて、敵の狙いがトンデモ液体爆弾にあることに気づき、輸送先にヘリで急行しますが、敵組織にアッサリと奪われた後でした。
秘密情報機関のエリートのはずなのに、この映画、彼らがまともに活躍しているシーンが皆無です。
さすがに情報漏れを危惧して、網を張ったところ、敵である特殊第八軍団のリーダーが釣られます。敵もいい勝負でうっかりさんです。
完全包囲しているのに……
敵はリーダー含む3人ですが、包囲を破られてリーダーを取り逃がします。相当な銃弾がばらまかれますが、不自然なまでに敵に当たりません。
相棒はジョンウォンの恋人イ・ミョンヒョンが仕掛けた盗聴器(情報局に設置されていた水槽の魚は全てジョンウォンがミョンヒョンから購入していたという公私混同ぶりが最悪!)に気づき、ミョンヒョンの自宅に網を張ります。
敵リーダーもやってきたため強襲しますが、またしても逃げられます。こいつらはどうすれば弾が当たるのでしょうか。
「コネ入社」職員によって解決される事件
敵の本命である南北共同のサッカースタジアムでのテロは未然に防がれますが、防いだのはジョンウォンではなく、『コネ入社』とバカにされていた青年です。
単身で敵集団に立ち向かい、捕獲されたジョンウォンを助けたのもコネ入社です。ついでに、相棒が水槽の魚に取り付けられた盗聴器に気づくきっかけとなったのはコネ入社の発言でした。
翻弄されまくりのジョンウォンよりもコネ入社の方がよほど活躍しています。エンディングで、新人職員をいびっていたのは笑いましたが。
終わりに
導入は圧巻ですし、銃撃戦のシーンは迫力がありましたが、ストーリーがグダグダで、キャラクターの魅力も今一つでした。
お世辞にも名作とは言えませんが、韓流ブームの中心にあった作品なのと、ジャンギル役のソン・ガンホがカッコいいので、一見の価値ありです。
それでは、また!