こんにちは、榊原です。今日は、映画の紹介です。3月1日より上映開始の新作「アーガイル」についてご紹介します。ほぼ全編ネタバレで行くので、鑑賞前の方はご注意ください。
あらすじ
スパイ小説「アーガイル」シリーズの著者である愛猫家の小説家エリーは、小説の内容が現実に進行している陰謀に似すぎていたため、命を狙われることになってしまう。
監督マシュー・ヴォーンについて
「キック・アス」「キングスマン」などアメコミの実写化で有名な監督です。「キングスマン2」以降は微妙に下火感があります。観て後悔した、というレベルではないのですが、心が躍るものもないという感じです。
僕は一応ほとんどの作品を見ていますが、この監督、アクションは迫力があるし、俳優も実力のある人を起用しているので見ごたえがあるのですが、ストーリーが薄い作品が多いんですよねぇ。観終わってから、思い返すことがあまりないです。
ストーリーについての不満
今作はどんでん返しの連続です。エリーは突然スパイの殺し合いに巻き込まれ、何を信じていいか分からずに混乱していきます。
・エリーの両親と敵スパイ組織の親玉が同一人物
・実はエリーこそが凄腕スパイ(アーガイル=本名のR・カイル)
・小説は記憶をなくしたエリーの実体験
このように、よく言えば先が読めないのですが、物語の興味に結び付いてくれません。わざわざ悪の組織のボスが記憶をなくしたエリーの父親役を演じる意味があるかな?とノイズになっている気すらします。
この「実は〇〇でした」の展開が多いせいで上映時間は140分近くあります。90分くらいにまとめてくれれば、もう少し違ったと思いますが、後半一時間くらいはかなり苦痛でした。
キャラクターの魅力の無さ
主人公のエリーは巻き込まれて騒いでいるだけで今一つ主体性が感じられませんし、相棒兼導き手のワイルドは真相を知った上でも、どんな人なのかよくわかりません。
リーダー的存在のアルフィーは徹頭徹尾何もしません。ギャグだとは思うんですけど、暇なときはバスケを見て、エリーがファイルを送信すると、受信状況の進行に一喜一憂していただけでした。
エリー=アーガイルであることを説明した以外に何も役割がないのであれば、登場させる意味があったのでしょうか?正直、サミュエル・L・ジャクソンを出演させたいがために作ったキャラクターなのではないかと思います。
ディヴィジョンって……
そもそも、悪の組織ディヴィジョンがどうして悪の組織認定されているのかよくわからなかったです。非道なことをする箇所が一回もなかったような気が。
重装備のチームを日中に町中に送り込んで発砲するので、本当に秘密組織なのか疑わしくなります。この映画全般にそういうところがあるのですが、設定が先行しすぎて、中身がカスッカスです。
最後に
ストーリーが薄く、キャラクターに魅力がなく、設定も今一つです。あと、やたらと役者のドアップが写るのがきついです。
キングスマンやエックスメンのファーストジェネレーションはとても好きな楽しい映画だったのですが、ネタ切れということなのかもしれません。
マシュー・ヴォーンの次回作は、無条件で鑑賞に行かず、評判を見てから考えたいと思います。未見の方は、この映画を見るよりは、キングスマンなどをサブスクで見ることをお勧めします。
それでは、また!