こんにちは、榊原です。今日は、ミュージカルの紹介です。「天使にラブソングを シスター・アクト」を鑑賞してきました!映画の内容やミュージカル版との差異について触れるため、ご了承ください。
「天使にラブソングを」について
1992年に公開されたコメディ映画です。ウーピー・ゴールドバークと言えばこの作品、というくらいメジャーな作品です。
ちなみに、ウーピー・ゴールドバークはその前に出演している「ゴースト ニューヨークの幻」でアカデミー賞を受賞していますが、テレビで何度も放映されているため、日本では本作の方が鑑賞者が多い気がします。
いいところ
①アラン・メンケンによる楽曲がいい
驚いたことに、舞台版では映画での曲が一曲も使われていません。それも、楽曲はアラン・メンケンによって作曲されています。アラン・メンケンってディズニーの美女と野獣やアラジンなどの楽曲しか知りませんでしたが、元々ミュージカル音楽の人なんですね。
特に最初にデロリスが歌い上げる「天国へ行かせて」はちょっと80年代っぽい曲調でメロディーラインにキレがあって非常に印象に残りました。トイレで高校生が友達と鼻歌歌っていましたからね。
それ以外にも、聖歌隊を指導する時に流れる「さあ、声を出せ」、シスターロバートが自身の胸中を吐露する「私が生きてこなかった人生」など、歌で話を動かす、ミュージカルならではの演出が光る曲が多かったです。
②役者がいい
今作はダブルキャストで、僕が見たのは朝夏まなとさんの会だったのですが、本当に良かったと思います。
元々映画は鑑賞済みだったので、デロリスと言えばウーピー・ゴールドバークというイメージでしたが、舞台版を見て驚きました。
映画版の物まねなどでは全くなく、向こう見ずで気が強く、仲間思いのデロリスという人物を朝夏さんのやり方で演じていらっしゃいました。ダンスシーンでも、手足が長いので、動きが大きく見え、見栄えがよかったです。カーテンコールで、深く一礼して姿勢を低くする一連の動作は思わず「かっこいい……」とため息が出ます。
他に印象的だったのは、院長役である鳳蘭さん、デロリスの愛人カーティスを演じた大澄賢也さんです。作劇の関係上、シスターは同じ格好をしているので中々キャラ付けが難しいところがありましたが、セリフなどで笑わせてくれるシーンがいくつもありました。特におばあさんシスターの私の人生は見どころのない連続ドラマという言葉は最高でした。
③ストーリーが見やすい
今作のストーリーは基本的に映画版をなぞっています。デロリスは愛人カーティスの殺人を目撃し、逃亡先として修道院を警察から紹介され、そこでの生活がメインになるというラインは映画版のままです。
若干の変更点としては、刑事エディと同窓生であること、院長との対立構造がより際立つようになっていたことでしょうか。両方とも無理のない改変だったと思います。
そのため、ストーリーのラインはこれ以上ないほど見やすいです。本作を見て話の分かりにくさに苦労することはまずないかと思います。
いまいちなところ
ストーリーに深みがない
話の分かりやすさと反比例の話なので、致し方ないところですが、今作を見て「人生が変わった」「明日を生きようと思えた」と思う方はまずいないでしょう。あくまでも脳を空っぽにして楽しむエンターテイメントです。
デロリスの態度に違和感
話の中盤で、聖歌隊が注目を浴びてテレビに映るシーン、デロリスはリスクを承知で映っています(エディの追及に「教会のためよ!」と言い返しますし)。
この点、映画版ではたまたま映ってしまって、しかも避けるようにしていた映画版とは異なっているため、違和感がありました。
終わりに
映画を見た人でも、初見の人でも楽しめる爽快なエンターテイメント作品です。リピーターチケットの販売など、複数回見たい人に対するサービスも充実していますし、ぜひ多くの方に鑑賞いただきたい作品です。
それでは、また!