こんにちは、榊原です。今日は書籍の紹介です。安達裕哉さん著作の「頭のいい人が話す前に考えていること」についてご紹介します。
本の概要
書店で平積みされていたので興味を惹かれて購入しました。20万部突破という帯がついていたので、相当売れ筋の本なのでしょう。この手の本を読んだのは、僕が社会人になったあたりで出版された池上彰さんの「伝える力」が最初かもしれません。
他人とのコミュニケーション方法についての本は昔からあるので、仕事をする上での永遠のテーマなのでしょう。たぶん50年後も似たような形であると思います。
本の独自性について
巻頭に切り取れる形で「知性と信頼」を同時にもたらす7つの黄金法則」「知性と信頼を同時にもたらす5つの思考法」が記載されています。これが、この本のトピックがまとめられていて、勘のいいひとならもうここだけ見てこの本はいいのではないかと思います。
この本の若干いやらしいところは、この巻頭の切り抜きは穴埋めになっていて、読者にその穴埋めを行わせるところです。最初から印刷されていればわざわざ書き込む手間が省けるのに……。
自分で穴埋めをすることによって記憶を定着させるという意図なのでしょうか。否定はしませんが、ただ一度書くことによって定着するかは結構疑問です。
それにしても、先日本屋で見かけた似たような自己啓発本も巻頭に切り抜きのまとめが乗っていたのですが、これって最近の流行なのでしょうか?自己啓発本の付録を机に貼る人なんて見たことありませんし、いたとしたらちょっと距離を置くんですけど。
内容について
「人と闘うな、課題と闘え」「承認欲求を与える側に回れ」など、安達さんがコンサルタントという職業を通して学んだコミュニケーションにより円滑に物事を進めるためのコツが平易な文章でまとめられています。
内容自体は頷けるものが多かったですし、「そうだよなぁ」と自分の中で意識するきっかけにはなりましたが、この内容、適当な自己啓発本を2,3冊も読めば書いてあることとほぼ相違がありません。それこそ、自己啓発本の鉄板カーネギーの「人を動かす」にも類似したことは書いてあります。
その中でもこの本が選ばれているのは、字が見やすいことと、文章が分かりやすいことが理由です。
鉄板の「人を動かす」ですが、一つ一つの学ぶべき法則について相当な文章量で説明されるので、最後まで読み終わるころには、最初の法則をほぼ間違いなく忘れています。
その点、この本については7つの法則、5つの思考法という少なめの数でまとめているので、忘れる前に本を読み切ることができます。
注意点について
自己啓発本にお決まりの注意点だとは思いますが、提示している法則や思考法が正しくない可能性については考慮がされていません。色々な人がそれぞれの考え方で仕事をしたり、コミュニケーションをしています。
先に書いたように頷ける部分も多い内容でしたが、100%ではありません。この本の内容を鵜呑みにすると手痛いしっぺ返しを食らうことになるかもしれませんので、ご注意ください。
終わりに
本書で提示している法則も思考法もさほど真新しいものではありませんが、字の大きさと短さのおかげで一気に読むことができます。この手の本は、実践できて初めて意味があるので、とっかかりとしては非常にいいのではないでしょうか。
仕事の仕方に行き詰っている社会人数年目の方や、まさにこれから仕事を始める方にお勧めします。
それでは、また!