こんにちは、榊原です。今日は、犯罪捜査キットの紹介です。SCRAP出版から発売されている「DETECTIVE X CASEFILE#1 御仏の殺人」についてご紹介します。
購入のきっかけ
最近リアル脱出ゲームを始めまして、東京ミステリーサーカスで「サイコパス」や「名探偵コナン」のゲームに参加してみましたが、かなり楽しくて気に入ってしまいました。ちょっとの閃きでわかる暗号やイラストの法則性など、わかったときの快感は何にも代えがたいものがあります(残念ながらそれを味わえることは、今のところ多くありませんが……)
何かほかに面白いものはないかなー、とネットで探していた時に、以前本屋で見かけた本作が出てきて、購入しました。
DETECTIVE Xとは?
捜査資料や供述調書など、捜査資料を基に犯人を推理するシリーズ……のようです。昨年に今作が発売され、まだ続編が出ていないので、今後も方向が継続するのかちょっとわかりません。
なんと、直木賞受賞作家の道尾秀介さんがシナリオを全編執筆しています。後でも触れますが、非常に楽しいシナリオでした。ただ、一発目から大物を用意しているので、次作以降はの不安も非常に大きいです。
2になってレベルダウンするわけにもいきませんし、コンスタントに発売しないとファンも離れてしまうような。2023年10月現在で続編の発表がまったくないので、早くも暗雲が立ち込めています。正直、シナリオのクオリティを落としてでも2を遊びたいですねー。
あらすじ(公式ホームページより)
過去の未解決事件に関するルポを連載している記者から、あなた宛に手紙が届いた。
2010年に起きた、ある寺での住職殺害事件を解決に導き、連載を続けたいという内容だ。
手紙には、寺や宿坊の間取り図、被害者のインタビュー記事のほか、解剖報告書、現場の写真、ビデオ映像、現場で検出された指紋、容疑者たちの取り調べ調書など、門外不出であるはずの警察資料の一部も同封されていた。
あなたは資料を元に捜査することを決め、記者の連絡用サイトにアクセスする。
容疑者たちが見せる裏の顔、不可解な被害者の日記、見つからない凶器──。
さまざまな事象が複雑に絡み合ったこの事件を、あなたは解決することができるだろうか?
必要物品について
物語を進めるうえでQRコードを読む場面があるので、スマホかPC必須ですが、後は筆記用具程度です。ただ、後半で要求される物品が、人によってはもっていない物で、ちょっとどうかと思いました。
それを記載してしまうと謎のネタバレになるので公式も言及を避けたのでしょうが、僕は持っておらず、お店に走らされました。
良いところについて
捜査資料のリアルさに引き込まれる
容疑者の供述調書、実況見分記録、現場写真、音声記録など、「ひょっとしたらこうかもしれない」という資料がてんこ盛りで、序盤からテンションを爆上がりしてくれます。特に供述は文章量が多く、読み応えもばっちりです。
目を通すのに時間はかかりますが、このゲームは制限時間がないため、メモを取ったりして整理しながら考えられるので、キットならではの良さが出ていると思います。リアル脱出ゲームは制限時間があるので、長い文章はそれだけで読むのにうんざりしますからね。
シナリオが面白い
浮かび上がる容疑者、謎を解いていくごとに変わる状況など、自分がドラマの中に入り込んで捜査しているかのような、非常に考えられたシナリオになっています。随所に伏線があり、回収された時は思わず声を上げてしまいました。
この辺は、ミステリ作家である道尾さんの実力が遺憾なく発揮されています。反面、次回以降の作品のハードルを上げ過ぎな気がします。
謎解きが楽しい
リアル脱出ゲームで頻出される、文字の並び替えや熟語穴埋めなどの謎解きは少なく、捜査資料から犯人の痕跡を導き出したり、論理的に思考を繋げる謎解きとなっており、これが捜査している感覚をくれて非常に楽しいものとなっています。
スマホで答え合わせをするのですが、違う場合は即座に違うと判断してくれますし、詰まったときのヒント機能も充実しているので、解けなくて投げ出すことはないかと思います。
イマイチな点について
所要時間が長い
資料の読み応えと表裏の関係なので必ずしもマイナスではありませんが、ちょこちょことできる内容ではありません。公式では3~4時間程度、と書かれていますが、資料を読み込むと時間がかかるため、トントン拍子で4時間と思ってください。
行き詰まると当然その分の時間がかかりますし、文章を読むスピードも個人差がありますので、半日くらいは用意しておいた方がいいでしょう。しかも、資料の細かいところまで読み込まないと解けない仕様になっているので、日を置いて続きをやるのもあまりお勧めできません。
最後に
昨年、本屋で紹介動画を見て気になっていましたが、買って本当に良かったです。ミステリ小説やリアル脱出ゲームが好きな方は、探偵気分で楽しい時間が過ごせます。友達や家族とやっても盛り上がりますし、一人でコーヒーを飲みながらじっくり取り組むのも楽しいです。
性的な話が若干あるからか、15歳以上が対象となっていますので、お子様と遊ぶ時は気を付けてください。
時間がある休日などに、一人の探偵として物語の世界に入ってみましょう!それでは、また!