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誰の、何のための物語だったのか 映画「キングダム 大将軍の帰還」を観て思ったこと

こんにちは、榊原です。昨日「キングダム 大将軍の帰還」を川崎109のIMAXで鑑賞してきました。平日だったため、プレミアムシート以外はほぼ空席。鑑賞環境としては理想的だったと思います。

概要

2024年7月時点で72巻まで出ている大ヒット漫画の第4弾にして最終章です。作者の原泰久さんが小島瑠璃子さんとの件でワイドショーネタになっていましたね。長年読んでいるファンは、そういうスキャンダルは気にならないのでしょうか。

キャスティングとお金を使ったアクションシーンが魅力で、継続して50億円以上の興行収入をたたき出しています。同じヤングジャンプの「かぐや様は告らせたい」もヒットして続編が製作されていますが、それでも20億ですからね。凄まじいです。

一見様にも配慮した結果

第三弾である「運命の炎」で武神を自称する龐煖(ほうけん)と対峙したところで終了していて、今作はその続きとなります。

前作は完全に中途半端で終わっていたので、見ていない人は完全に置いてけぼりのはずですが、最初にキャラクター紹介がありますので、一応わかるように作っています。ただ、見ていた方からすれば、今更のキャラ紹介はテンポが悪く感じられました。過去作の画像を引っ張り出す必要があったのか、疑問でした。

話の軸とならない主人公たち

キングダムは、亡き親友との誓いを胸に、天下の大将軍になる夢を抱く信と、中華を束ねて血の流れない世界を築くことを誓う政を軸にした物語……かと思っていましたが、今作では二人とも非常に影が薄いです。

信は龐煖の剣を最後に凌いだことと、味方を鼓舞するシーン以外主人公らしい活躍をしませんし、政に至っては、王騎との回想を語るくらいしか出番がありません。

サブタイトルである「大将軍の帰還」ということもあり、今作においては敵と因縁があるのも、一騎討ちをするのも、全て王騎です。大沢たかおさんの熱演もあり、非常に見ごたえのある絵やセリフ(「敵の数、およそ十倍!一人十殺を義務付けます」)は多いのですが四つも作った映画の最終章がこれでよいのかと首をかしげました。

最後に

古き英雄が去り、新しい英雄たちの激突が始まるということだと思うのですが、それにしても主人公たちの影が薄すぎるように感じましたし、河了貂(かりょうてん)とか存在意義がわかりません。

ネットニュースだと、次作以降も出そうな感じなのですが、原作が本当に長いので、どういう結末を迎えるのか非常に気がかりです。実写版は原作と切り離して、物語としてちゃんとまとめてもらえればいいのですが……。

それでは、また!

ABOUT ME
榊原 豪
榊原 豪(さかきばら ごう)です。都内在住で、主にマンガ、映画、小説、アニメ等のエンターテイメントの情報を発信していきます。 楽しいこと、面白いことを探すのが好きですし、「何を『面白い』というのか?」という考察なども結構好きです。 よろしくお願いします。