こんにちは、榊原です。今日は、書籍の紹介です。島本和彦さん著作の「締切と闘え!」についてご紹介します。

島本和彦さんについて
「炎の転校生」「逆境ナイン」「アオイホノオ」等を代表とする漫画家の方です。無理が通ると道理が引っ込むという言葉を連想する勢いとギャグ、熱い言葉の数々が特徴の作風です。
僕のおすすめは逆境ナインです。「それはそれ!これは、これ!」「誰だって叩けば埃は出てくる!」など勢いよく主張を叩きつけるシーンが最高でした。
漫画もさることながら、島本和彦さん自身も非常に面白い人なんですよ。受け答えが大仰で味のある声なので、島本さんのキャラクターがそのまま現実に浮き出てきているような熱さとバカさ(失礼!)を感じます。
本作について
専業作家と切っても切れない関係にある「締切」をテーマにした一冊です。
作りとしては、「はじめに」で書かれている
『締め切りがあると、最優先を頭の中で整理できる』
『君の人生には、君の締め切りがある』
『闘うべき相手を決め、全力でぶつかり、傷を負って、君の人生を豊かにするのは、君自身』
に概ね普遍的な内容は盛り込まれていて、島本さんが駆け抜けた締切とのエピソードと教訓(?)が主な内容となっています。
エピソードについて
・締切ギリギリでどうしても眠気が取れなくて「あえて寝る!」を選択した話
・締め切りに追われて限界を超えた「スーパー島本和彦」が降臨した話
・「これをやっている最中にこれに入る」という意味の分からないスケジュール表を作った話
等、笑えるエピソードのつるべ撃ちで、読み終わるころには島本さんが好きになっていると思います。
文章は平易で読みやすいので、数時間あれば余裕で読めます。また、短めの章で構成されているので、電車の中でささっと読み進められます。
個人的な感想について
相変わらずスゲェ人だなぁ、と感じました。締切を逆境として、己の限界を超えるための糧とする精神性や「何があっても島本よりマシ」と読者を鼓舞する度量はどこから湧いてくるのでしょう。
仕事をしつつ家族と過ごす時間を増やしたい→4時起きで仕事すればOKというワークライフバランスには笑いながらも顔が引きつりました。漫画業界では肉体も精神もタフネスじゃないと生き残ることはできないのかもしれませんね。
終わりに
島本和彦作品のファンはもちろん、島本さんの作品を読んだことのない人でもニヤニヤ楽しめる本となっています。
締切だけでなく、編集者とのかかわり方などにも言及しているので、漫画家志望の人にも一読の価値ありかもしれません。
締切と闘い抜いた漢の姿を、是非ご覧ください。
それでは、また!
それにしても、ちくま新書は、この本といい、完全教祖マニュアルといい、企画した人は(いい意味で)どうかしてますね……。