こんにちは、榊原です。今日は、書籍についての紹介と感想です。後藤達也さん著作の「転換の時代を生き抜く 投資の教科書」を読んで感じたあれこれについて書き散らします。
後藤達也さんについて
元日経新聞の記者で、現在はフリーの経済ジャーナリストをしている方です。ユーチューブ配信、WBSの出演など、幅広く活動されています。有料note会員数3万人越え(3月時点)という凄まじい数字を誇ります。
わかりやすい解説に定評がある方で、今後、池上彰さんのようなポジションになるのではないかと思います。池上さんが世界情勢全般について幅広く伝えるのに対し、後藤さんは経済に特化していますが。
概要について
投資の基礎を、初心者にわかりやすく説明しています。円安や金利など、2024年現在ならではの状況も踏まえつつ、株とは何か、投資とは何かという非常に基礎的なところからの説明となるため、全く知識がない人でも理解に困ることはないと思います。
懸念点について
①この本にたどり着ける人に、必要なのか
本屋に行って、投資のコーナーを見ると「しっかり1億円貯める月1万円投資術」「月5万円から始める「リアルすぎる」1億円の作り方」などセンセーショナルなタイトルの本が並んでいます。
そういった中で、投資に必要な知識の基礎から始まる本作のスタンスは、非常に誠実で初心者にぴったりだと思います。ただ、そもそも後藤さんについて知っていて、この本の存在を知っている人って一定の投資リテラシーがある人だと思うんですよね。
投資リテラシーがある人であれば、概ねこの本に書かれた内容は知っているので、知識の再確認にはなりますが、必読の書ではないかも、というのが正直な感想です。
②必要な人は、この本に『耐えられる』のか
投資をまったくやったことのない人が投資に抱くイメージは「ギャンブル」に近いものだと思います。元本が2倍・3倍になることを夢見る人も少なくないでしょう。
そのような思いを抱く人がこの本を読むと、非常にまだるっこしいと思います。なにせ、個別銘柄に関する言及はほとんどありません。具体的な投資信託も挙げていますが、全体の1割以下です。
どうすれば儲かるのか、を期待して読む人が本作を最後までキチンと読んで咀嚼することができるのか、疑問を抱かざるを得ません。
最後に
本作はまさしく「投資の教科書」であり、僕も友人や家族から『投資について勉強したいけど、おススメはあるか』と聞かれれば、迷わず本作を推すでしょう。
ただ、非常に堅い作りであり、具体的な行動についての言及が少ないため、必要な人に響くのか、難しいところもあるかと思います。
内容は10年過ぎても古びないものとなっており、投資本のクラシックになると感じています。
それでは、また!