こんにちは、榊原です。今日は、映画の紹介です。フランシス・コッポラ監督の「ゴッドファーザー」を紹介します。
予告編(ネタバレ注意)
目次
ゴッドファーザーについて
マリオ・プーゾの同名小説を映画化した、マフィア映画の金字塔と言っていいほどの超有名作品です。1972年に公開され、今年で50周年となります。
本作は、アカデミー賞で作品賞・主演男優賞・脚色賞を受賞しており、続くゴッドファーザーpart2もアカデミー賞を受賞しています。
最終作であるゴッドファーザーpart3は、何故か前2作と比較して評判が芳しくないのですが(僕も未見です)、2月下旬に、再編集をしたバージョンが劇場公開するということで、時間が合えば鑑賞しようと思います。
あらすじ
ヨーク五大ファミリーの一角で、最大の勢力を誇るイタリア系マフィア「コルレオーネ・ファミリー」の邸宅では、娘コニーの結婚式が盛大に開かれていた。
ドンであるヴィトーの三男マイケルは、家業を嫌い、裏社会には入らずに大学を経て軍隊に入り、表の世界を歩いていた。
ある日、タッタリア・ファミリーの客分で麻薬密売人のソロッツォが、政治家や司法界への人脈も厚いコルレオーネ・ファミリーに麻薬の取引を持ちかけてくる。
麻薬取引を固く禁じるヴィトーは拒絶するが、長男で跡継ぎ予定のソニーは、乗り気の姿勢を見せる。
ソロッツォは、邪魔なヴィトーを消せば取引は可能と考え、襲撃計画を立てる。映画を誇ったコルレオーネ・ファミリーに暗雲が立ち込めようとしていた。
魅力
ストーリー
マフィア間の抗争ということで、アクション映画のような激しい銃撃戦を想像した方がいるかもしれませんが、アクションはむしろ控えめです。ファミリー間の抗争を駆け引き、陰謀でジリジリと焼かれるような静かな緊迫感が強い映画となっています。
抗争のこと、麻薬のことは彼らにとってビジネスであり、日常であることが感じられ、知らない世界を覗き見る感じが面白いです。
登場人物
本作の大きな魅力として、登場人物の内面描写が優れ、キャラクターとして類型的な役割ではなく、きちんと「人間」が描けているところだと思います。
例えば、コルレオーネファミリーのドンであるヴィトーは、義理堅くも、周囲の者を暴力で従わせてきた男です。
自らの力をもって、悩み事を解決する代わりに、後日に貸しを取り立てて断れない状況にして地位を築いてきました。
そんなヴィトーが、息子であるマイケルに「お前の時代は、政治家などの表に立つ時代だ」というシーンは、自らの老いと死を感じている、非常に味がある場面となっています。
また、ヴィトーの三男であり、主役のマイケルは、父や兄弟が営んでいるマフィア家業を毛嫌いしています。
しかし、あることが転機となり、嫌いである世界に足を入れなければならなくなった時、今までのマイケルには見られなかった、冷徹な一面が見えてきます。
何よりも、人を撃つという、今までのマイケルの人生と決別することを象徴する場面は、人間が変わっていく決定的な場面を捉えており、非常にドキドキします。
雰囲気
1940年代のアメリカを描いた映画ということで、登場人物の多くが煙草をスパスパ吸い、酒を飲みまくるという、ダンディズムに満ちています。
この映画が由来で「ゴッドファーザー」という名前のカクテルが作られるほど、酒と煙草が魅力的に映る映画です。
ジャニーズのような、中性的な魅力ではなく、匂い立つような男の色気というものを存分に楽しめます。
ちょっと脱線ですけど、そういえば、映画で電子タバコが使われている場面ってみたことないんですけど、スポンサーの関係でしょうか?21世紀を描くのなら、むしろアイコスを使用している方が、時代の空気感とか出ると思うんですけど。
アクション
上述の通り、本作において激しいアクションはありません。しかし、それはアクションがないということではなく、むしろ「人を殺す」ということを非常にリアルに描いています。
ジョン・ウィックのように、銃を撃てば人がバタバタと倒れていくというゲーム的なものではなく、人を殺すという意思を持ち、銃を握り、引き金を引くという瞬間が、非常に緊迫感を持ったものとして描かれています。
何よりも、ラストのアクションシーンは、抑えめだったのはこのためだったのかと膝を打つほど衝撃的なものとなっています。
イマイチなところ
上映時間が177分と相当に長く、派手なアクションシーンがないため、退屈に思ってしまうところがあるかもしれません。
実際、この映画を最初に見た時は、そんなに面白さが分からず、長くて退屈な映画だと思いました。
ですが、後で振り返って、「あれ、ゴッドファーザーって、結構面白いかも」と思って、見返すと、非常に多くの魅力が溢れるシーンが多く、見るたびに新たな発見がある、スルメのような物語です。
ちょっと退屈と思っても、最後まで見ると、後で振り返った時にはっきりと思いだせる場面がある魅力ある映画です。
最後に
50周年ということで注目が集まっていますし、何よりも非常に面白い映画なので、『古いから』『長いから』という理由で敬遠してしまうのは非常にもったいないです。
今月末に日比谷と梅田限定ではありますが、劇場公開しますし、機会を捉えてぜひご覧いただければ嬉しいです。
それでは、また!