こんにちは、榊原です。コナン映画がアマゾンプライムやHuluで見放題ということで、3日に1本くらい消化していますが、まだまだ先は遠そうです。今回は「異次元の狙撃手」について感想を書いていきます。
目次
あらすじ
東京の街を一望できる高さ635mのベルツリータワー。そのオープニングセレモニーの最中、展望台にいた男性客が外部からの狙撃によって倒れる。
居合わせたコナンは銃弾の軌道から狙撃ポイントを割り出すが、それは狙撃の射程距離的に「ありえない距離」。スナイパーを女子高生探偵の世良真純とともに追うも、あと一歩で取り逃がしてしまう。
後日、FBIと警視庁が合同捜査を開始、浮かび上がったのは、海軍の特殊部隊”ネイビー・シールズ”の存在だった…。
概要
異次元の狙撃手は、コナンたちがベルツリータワー(という名のスカイツリー)観光の際に発生した狙撃事件をきっかけに、犯人と目されるハンターの追跡を開始するというのが大きな軸になっています。
コナン映画は、テレビ版と異なり、ミステリーに加えて派手なアクションが見せ場ですが、今回はミステリーをほぼすっ飛ばしてアクションに全振りしています。
一応犯人がメッセージとしてサイコロと薬莢を現場に残しているため、その意味について小五郎や警察、コナンが頭を悩ませますが、博士の駄洒落クイズ以上に「わかるか!」とキレたくなる答えでした。
カウントダウンと思いきや、真の狙いがあったわけですが、コナンたちはおろかターゲットにすら意味が伝わっていないメッセージに何の意味があるのでしょうか?
製作者の描きたかったものはアクションで、ミステリー要素は「コナン映画だから」と申し訳程度にまぶした感があります。
ストーリーについて
①序盤の追跡シーンについて
東京を舞台に、お馴染みのスケボーや世良が運転するバイクが縦横無尽に駆け抜けます。爽快感はあるのですが、世良を登場させる都合で危険への対応が悪くなっている感がある(スケボーに銃撃を受けた後はほぼ棒立ち)のはちょっと残念でした。
犯人が発砲も辞さないのは緊張感があっていいのですが、手榴弾を使用してパトカーを横転させるのはやり過ぎでは。
派手に動けば、その分追跡する捜査員も増員されるわけで、無駄なところでリスクを背負いすぎだと思うんですけど。
炎上するパトカーにウィリーで突撃してジャンプするシーンは、ミッションインポッシブルかと思いました。
②捜査について
警察は事件の容疑者であるティモシー・ハンターを追いますが、発見したとしても確保できるか甚だ怪しいです。
邪魔するとあらば、民間人の死傷を厭わないので、対抗策を講じる方が先でしょう。完全に特殊部隊で制圧する案件だと思うのですが、そんな相手でも警察はいつものメンバーです。
目暮警部を始めとする捜査一課のブラックぶりはマジでやばいと思います。
③FBI関連について
休暇中のはずの人間と合同捜査をやる不自然さは置いておくとして、FBIを絡めると一気に捜査員が増え、目暮警部を始めとするメンバー合わせて10人ほど。
危険人物への対処ということで仕方がないかもしれませんが、もう少し登場人物を絞り込んでもらえるとありがたかったです。
④事件の動機について
事件の動機が、最初に警察が調べた背景事情と大筋では違わないことに驚きました。シルバースターをはく奪されたことは序盤でわかっていたので、後は事件の捏造があったくらいですよね。
今回の事件の被害者は、人を貶めるクズどもばかりなので、正直撃ち殺されても大して心が痛みません。そう考えると、不動産業者と妹の元婚約者はとばっちり感ありますね。シルバースターに関わってないのにキッチリ撃ち殺されるという。
クライマックスについて
①少年探偵団が関わることによる緊張感の減少
水平線上の陰謀では、最後のオチに少年探偵団絡みの伏線が上手く回収されて感心しましたが、元太たち3人が話に絡むと途端に緊張感が無くなります。
銃を持つ男相手に、携帯を投げつけて犯人を怯ませるのはちょっと……。暗視ゴーグルで目が眩むのは分かりますが、小学生に翻弄されるとちょっとがっかりです。
作劇上、元太たち三人が傷つくことはないと言っていいので(マジで後味が悪くなるから)、今回のようなアクション重視の物語とは喰い合わせが悪いんじゃないかと思いました。
②コナンの最後の見せ場がサポート
コナンと犯人の位置があまりにも距離が離れすぎているため、犯人逮捕のための行動が、昴が狙撃するための補助というのは、ちょっと主人公としてどうなのかと思いました。
もう少しダイレクトに犯人逮捕に貢献してもらいたいです。
終わりに
見せ場のあるアクションは多いですし緊張感もありますが、相手の戦闘能力が高すぎてコナンが絡む余地がなくなっていた気がします。
予告編で「遊びは終わりだ。名探偵」と犯人が呟くシーンがありましたが、そんなシーンはありませんでした(というか、犯人はまともにコナンを認識していない)。コナンの予告に嘘が入っているのは、今に始まったことではありませんが。
それでは、また!