こんにちは、榊原です。おーちようこさん著作の「コミックマーケットへようこそ」を読んで思ったあれこれについて書き散らします。
コミックマーケットとは?
日本で最大の知名度・規模の同人誌展示即売会です。夏と冬の2回、数日間にわたって東京ビックサイトで開催されます。
一日に十万人を超える参加者は圧巻で、開催当日はニュースで取り上げられています。ドキュメント72時間など、番組の企画が成り立つほどです。
漫画やゲームの販売が中心ですが、コスプレスペースが用意されているなど、幅広い楽しみ方があるイベントですので、オタク趣味がある人は楽しめると思います。
この本では、そんなコミックマーケット(以下「コミケ」)の準備会について紹介しています。
本の概要
コミケの準備会の組織構造が中心部分です。かなり細かい構造になっており、記録班・国際部・搬入部など、12に分かれています。
部門別に、業務紹介と責任者のインタビューが掲載されていますが、この業務内容が凄いです。
参加者の誘導や物品の発注・搬入、会場設営、マスコミの対応など、どう考えても給料をもらえるレベルです。社会人経験がある方でも苦労を強いられるのは間違いないでしょう。
スタッフの方はボランティアだそうですが、仕事や家庭にも影響を及ぼすと思われるので、どう折り合いをつけているのか、気になりました。
組織の紹介の後、開催当日の流れや、過去にあったコミケでの事件、共同代表のインタビューなどが入っています。中でも、「黒子のバスケ脅迫事件」はニュース等で取り上げられていたため、ご存じの方もいるのではないでしょうか。
いいところ
コミケの準備会という、今まで注目されていなかった面に光を当てていて、興味深く読めます。コミケと言えば、その規模や参加者はニュースで取り上げられていますが、準備会に光を当てた本は珍しいのではないでしょうか。
イマイチなところ
コミケの表現が綺麗過ぎるのが気になりました。
コミケってカオスなイベントです。煽情的なイラストが入ったデカい紙袋を持つ人や、背中のリュックサックからポスターがビームサーベルのように生えてる人が会場を闊歩しています。
販売されている本も、どうみても18歳以上に見えない少女が股を開いていたり、性行為をしているものがあります。
もちろん、普通の漫画・ゲームもあるのですが、コミケには気持ち悪い側面があることを否定できないでしょう(これを『多様性』で片づける人は、目がどこについているのでしょうか?)。
また、インタビューに答えた多くの方が「人とのかかわりが楽しい」「普通じゃ会えない人と関われるところがいい」旨の発言をしています。
その言葉に嘘はないと思いますが、オタク特有の気持ち悪いクレームや行動に対する苦労、部門間の調整など、キツイこともたくさんあると思います。
暗い面を語ると、今後スタッフの応募者数が減ると判断されたのでしょうか。もっとドロドロした部分が読みたかったです。
終わりに
準備会の組織構造や業務内容は興味深く、一度でもコミケに行った人なら楽しく読める本です。半面、オタクの負の側面や、開催する上での苦労話などを読ませてほしかったです。
もうすぐ冬コミなので、参加予定の方は、気分を上げるためにも一読してはいかがでしょうか。それでは、また!