こんにちは、榊原です。今日は、ゲームの紹介です。ゲームメーカーlightから制作された「Dies irae(ディエス・イレ)のご紹介をします。
全ての少年たちに贈る能力バトル
Dies irae
疾走感抜群の物語
圧倒的中二的熱量
特濃のキャラクターたち
ストーリー
キャラクター
熱量
おすすめ度
目次
ディエス・イレとは?
2007年に発売されたビジュアルノベルゲームです。最初は対象年齢18歳以上のゲームとして発売されましたが、その後追加シナリオを加筆したバージョンやルートを追加したバージョン等、複数回の更新をして発売されています(僕がプレイしたのは、2017年に発売したバージョンです)。
2007年に発売した初期のバージョンは、ホームページに載っていたサンプルCGが削除されていたり、ルートがあるとされていたキャラクターのシナリオが無かったりと、相当にやってしまっているようです。
普通だと、こんな作品が完全版を発売してもそっぽ向かれそうなものですが、それでも買われるのはクオリティーが優れている作品だからであろうと思います(最初から完成しているものを発売してもらいたいものですが)。
あらすじ(ウィキペディアより)
第二次世界大戦終結を間近に控えた1945年5月1日、ドイツ。陥落寸前となった首都ベルリンに「聖槍十三騎士団」と呼ばれる者達がいた。彼らにとっては自国の敗退など取るに足らぬことであり、むしろ戦火の犠牲となった夥しき数の民衆を謎の儀式の触媒として生贄にしていたのである。戦争終結後彼らの存在は歴史の闇に隠れ、その行方を知るものは誰もいない。
西暦2006年の日本。「諏訪原市」に暮らすごく普通の学生藤井蓮は親友の遊佐司狼と、殴り合いの決闘を起こし、その結果、満身創痍となり2ヶ月もの入院生活を強いられていた。その後無事に退院し、幼馴染の綾瀬香純や先輩の氷室玲愛と共に元の学園生活にも戻りつつあった。
しかし、クリスマスも近づいた12月の諏訪原市では人が首を斬り落とされて殺されるという無差別連続通り魔事件が起こり始める。奇妙なことに蓮はその頃から、自分が断頭台で首を刎ねられるという恐ろしい悪夢にうなされ始めていた。だがそれは彼にとって恐怖と苦悶に満ちた戦いの物語の前触れでしかなかった。
裏返る日常。暗躍するナチスの残党。街は戦場へ変わり、常識を超えた不条理が蓮を襲う。戦わなければ生き残れない現実の前に彼は平凡な生活を取り戻せるのか。
魅力
①ストーリー
主人公は学生ですが、あまり学園的な要素はなく、日常が崩壊していき、わけもわからず命懸けの戦闘を強いられ、生き抜いていくというハードな能力バトル物です。
スピード感のある文体と、敵味方のそれぞれが有する固有能力を用いてぶつかり合うのが大きな魅力となっています。
ビジュアルノベルだけあって、単なる能力差で相手を倒すのではなく、能力をどう活用するかという戦術的な要素や、心理を読みあう駆け引きの要素で魅せてくれます。
②設定
本作を言い表す一番わかりやすい言葉は「中二」です。「ナチス」「聖槍十三騎士団」「黒円卓」「聖遺物」など、男心をくすぐるワードの塊が全て作品内にぶち込まれています。
ストーリー展開も、口うるさい幼馴染と飄々としている親友のいる青年が、ふと手に入れた力をきっかけに世界存亡の戦いに挑むという、一度は想像した物語が超格好よく展開してくれます。
おまけに、敵味方のキャラクターは、本気で戦闘に挑むときは、それぞれのキャラクター、能力を表す「詠唱」を行います。
有名作品で言うと、Fate/stay nightのアーチャーの固有結界の呪文です。あれをキャラクター全員がここぞというシーンでやってくれるのです。
本作の詠唱シーンはファンに好評のようで(僕も大好きです)、詠唱シーンだけを集めたYou tube動画があるほどです。動画先は、ネタバレを含みますのでご注意ください。
また、敵は主人公を「ツァラトゥストラ」と呼ぶのですが、これ、完全にニーチェの「ツァラトゥストラはかく語りき」からなんですね。シナリオの中核部分にもニーチェが提唱した概念である「永劫回帰」が使われています。
だからと言って、物語が深淵になるわけではなく、基本は拳のぶつかり合いで勝った方が正しいという単純明快にもほどがあるのですが(笑)、哲学のスパイスが効いて、一味違う物語になっています。
③キャラクター
主人公である連も、繰り返される日常を愛する魅力的なキャラクターなのですが、それ以上に敵側のキャラクターの魅力(主に適役)が圧倒的に高いです。
「誰にも触られたくない」という渇望から超速のバイクを乗り回す少年、「夜に無敵の魔神でありたい」と願う吸血鬼、「真実の死を迎えたい」という渇望から一撃必殺の拳を持つ英雄等、一癖も二癖もあるキャラが癖のある語りとともにぶつかってくるシーンが最高に燃えます。
13騎士団だけあって、人数は相当に多いのですが、それぞれのキャラが特濃なので、見分けがつかないということはありません。ルートごとに登場の濃淡はありますが、好みのキャラクターが出てくると思います。
最後に
面白いノベルゲームをやりたいと考えている人におすすめの一本です。キャラクターの魅力、熱量では月姫にも引けを取らない物語をぜひ味わってください。また、ニーチェは別記事でも扱っているので、よければこちらもご覧いただけると嬉しいです
それでは、また!