こんにちは、榊原です。今村翔吾さん著作の小説「イクサガミ 地」について紹介します。
イクサガミシリーズについて
明治時代、命を賭けた遊戯の勝者となれば莫大な金銭が得られる「蟲毒」というデスゲームについての物語です。
受け継ぐものを一人とする暗殺剣、過去の因縁、殺人狂など、ジャンルとして必要なものを用意して、全部ぶっこんで鍋を作った、そんな小説になっています。
主催者側からルールについては最小限しか説明されないので、隠されたルールや裏道などについて主人公たちが推測し、検証していく点も面白い点になっています。
本作は「イクサガミ 天」の続巻にあたります。次作「イクサガミ 人」により完結予定とのことです(リンク先に前作の紹介)
本作の魅力について(前作「イクサガミ 天」についてのネタバレが若干入ります)
前作で主役と準主役の動機やゲームのルール紹介については大体終わっているので、嵯峨の過去の因縁とゲームの裏で暗躍している者たちとの戦いが中心となっています。
正直前作でもルール説明のダルさについてはほぼ感じませんでしたが(説明不足感はありますが、その分テンポが速くてむしろプラスに働いていると思います)、死闘、競争相手との一時共闘、真相の解明など、どんどん話が進んでいくので、読んでいてとても楽しいです。
また、足手まといだったヒロイン双葉が、彼女ならではの形で嵯峨に貢献したり、嵯峨の流派である京八流の因縁など、前作からのキャラの掘り下げもきっちりやってくれます。色々消化すべき点が結構残っているので、残り一巻でスパンスパンと物語を閉じてくれるのが今から楽しみです。
本作のイマイチなところ
後半で出てくる歴史上の登場人物が出てきたときに、よほど歴史に疎い人じゃないと0.3秒で展開に予想がつくんですよねぇ……。歴史好きの人とかおお!って上がるんでしょうか。僕はどうかと思いました。
あと、デスゲームの宿命なんですけど、背景事情を明かされると、無理があるんじゃないか、と思ってしまうというところもちょっと残念でした。いくら何でも手間をかけ過ぎです。
終わりに
文句も書きましたけど、テンポの良さや楽しいところを前巻に引き続き見せてくれるので、楽しい作品であることは間違いありません。
天が発売されてから一年ちょっと経過してからの発売なので、最終巻はもう少し早めに発売してくれるとありがたいですが、気長に待ちます。
それでは、また!