序盤からクライマックス!出だしからグイグイ引き込まれる小説5選の紹介

 こんにちは、榊原です。「まどろっこしい説明とかいらないので、すぐにワクワクする読書体験がしたい」という方のために、出だしからグイグイ引き込まれる小説を5つ紹介いたします。

 5つの順番に特に意味はありませんが、どれも読んで後悔無しの逸品なので、ご覧いただけると嬉しいです。タイトルのリンク先は個別記事になっています。

目次

イクサガミ

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あらすじ

明治11年。深夜の京都、天龍寺。
「武技ニ優レタル者」に「金十万円ヲ得ル機会」を与えるとの怪文書によって、腕に覚えがある292人が集められた。


告げられたのは、〈こどく〉という名の「遊び」の開始と、七つの奇妙な掟。
点数を集めながら、東海道を辿って東京を目指せという。


各自に配られた木札は、1枚につき1点を意味する。点数を稼ぐ手段は、ただ一つ――。

「奪い合うのです! その手段は問いません!」

剣客・嵯峨愁二郎(さが しゅうじろう)は、命懸けの戦いに巻き込まれた12歳の少女・双葉(ふたば)を守りながら道を進むも、強敵たちが立ちはだかる――。

弩級のデスゲーム、ここに開幕!

ポイント

  • 時代劇でありながらデスゲーム要素を取り入れたエンタメ特化小説。
  • ルール説明からゲーム開始まで開始約30ページ程度
  • 主人公が最強格であり、弱者を守る優しさを備えているためストレス皆無

雑感

 幕末で活躍した凄腕の剣客が、少女を守りつつバケモノ揃いのデスゲームに身を投じるという、いくつ要素をぶち込めば気が済むんだという大盤振る舞いが最高です。

 「奪い合うのです!その手段は問いません!」という、雑にもほどがあるルール説明(実際はもう少し説明)によりダラダラした説明はなし。エスプレッソを喉に流し込むかのような刺激的な読書体験ができます。

 敵役も、同じく幕末で活躍した凶手、主人公と同じ門下にいた殺人剣の使い手等、主人公に負けず劣らずの濃さであるところも◎です。

 ただひたすら楽しさを求めたエンタメ小説として、文句なしの一作になっています。

滅びの前のシャングリラ

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あらすじ

『明日死ねたら楽なのにと夢見ていた。なのに最期の最期になって、もう少し生きてみても良かったと思っている』

「一ヶ月後、小惑星が地球に衝突する」

突然宣言された「人類滅亡」。
学校でいじめを受ける友樹(ゆうき)、人を殺したヤクザの信士(しんじ)、
恋人から逃げ出した静香(しずか)、そして――
荒廃していく世界の中で、「人生をうまく生きられなかった」四人は、最期の時までをどう過ごすのか。

ポイント

  • 最初の1ページで主人公によるクラスメイト殺害の告白
  • 人類滅亡まで一か月という極限状態における家族の構築が愛おしい
  • いじめられっ子がウジウジタイム最小で強さを手に入れるのが熱い

雑感

 江那友樹、十七歳、クラスメイトを殺した。この力強い一行が物語の始まりです。人類の滅亡が爆速で明かされて、東京に向かうクラスメイトの雪絵を微力ながら支えようとする友樹の姿が熱く描かれます。

 鬱屈していた日々を脱却して強くなろうとする友樹、友樹を信頼する雪絵、それを見守る静香と信士という関係性に心温まります。

 死という恐ろしい事態を目の前に、輝くような彼らの日々が、いつまでも読んでいたいと思わせるくらい魅力的に描かれています。

 生きるのも悪くないな、と思わせてくれる1冊です。

機龍警察

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あらすじ

テロや民族紛争の激化に伴い発達した近接戦闘兵器・機甲兵装。

新型機“龍機兵”を導入した警視庁特捜部は、その搭乗員として三人の傭兵と契約した。警察組織内で孤立しつつも、彼らは機甲兵装による立て篭もり現場へ出動する。

だが事件の背後には想像を絶する巨大な闇が広がっていた。

ポイント

  • 約10ページで未曽有のテロ事件発生という展開の速さ
  • 秘密警察×ガンダム×傭兵という設定が最高
  • 静と動の緊張感が満点

雑感

 警察に、特捜部という秘密組織が存在し、警官だけではなく、傭兵まで雇用して機甲兵装と呼ばれる機体を運用している。荒唐無稽にもほどがある設定を綿密に描き、わくわくさせてくれます。

 機甲兵装兵器の登場から未曽有のテロ事件発生までを出だしの10ページ程度でやってくれるので、すぐに物語に引き込まれます。

 機甲兵装の搭乗者も元テロリストや汚職容疑で指名手配されていたロシアの警官など、濃すぎるにもほどがある魅力的なメンバーが揃っています。

 中でも魅力的なのは、元外務省の特捜部長、沖津淳一郎です。葉巻をふかし、高級スーツを着こなす伊達男で、「龍機兵は君の命よりも大事なんだよ」等、無常ともいえる言葉を言いながら、行動の所々に熱を感じるところが魅力的です。

 とりわけ、沖が究極の2択を迫られるシーンで、焦りがある仕草に現れるのですが、その仕草すらカッコいいという卑怯過ぎるキャラクターです。

 犯人確保のための突入だけではなく、会議室における緊迫感を描いた、良質な警察小説です。

あとは野となれ大和なでしこ

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あらすじ

沙漠の小国家、アラルスタン。日本人少女ナツキは紛争で両親を失い、国の教育機関“後宮”に引き取られることに。


同じ境遇の仲間と気楽な日々を過ごしていたが、大統領が暗殺され情勢は一変。


国の中枢のほとんどが逃亡、反政府軍が襲来する絶体絶命の危機に陥ってしまった!


ナツキは仲間の立ち上げた臨時政府に参加し、自分たちの居場所を守るために奮闘するが……。


どんな困難も笑い飛ばして明日に進む、乙女たちの青春冒険ストーリー!

ポイント

  • 少女たちの国家運営がスピーディーに描かれる
  • 先の読めない展開に目を奪われる
  • 主人公たちが不屈なので、安心してみていられる

雑感

 架空のアラルスタンを、大統領の暗殺をきっかけに運営することになったナツキらの青春が鮮やかに描かれます。

 主人公であるナツキを始めとする少女たちが精力的に動きますが、国家の運営など経験者がいるはずもなく、「これからどうなるんだろう」とワクワクしながらページをめくる時間が楽しめます。

 とにかくナツキをはじめとする臨時政府のメンバーが前向きかつ優秀なので、読むことにストレスがありません。終始ニコニコしていられます。

川の深さは

あらすじ

「彼女を守る。それがおれの任務だ」、そう言う傷だらけの少年。

彼をかくまった元警官は、彼との交流を進めるうちに「底なしの川」に巻き込まれていく。その中で元警官はこの国の暗部を目にしつつ、かつて持っていたが現在失っていた熱いものを取り戻していく。

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ポイント

  • 日々を諦めていた中年の再起が熱い
  • 心理描写が熱量満点
  • 秘密組織の描写が綿密で楽しい

雑感

 日々を漫然と過ごしていた元刑事桃山が、ヤクザに追われている少女と彼女を命懸けで守ろうとする少年との運命的な出会いで、一気に物語に引き込まれます。

 ダラダラと生きていた桃山が、「今日よりましな明日」を手に入れるための熱をじわじわと取り戻していく様子が、熱い感動をくれます。

 自衛隊内の秘密組織DICEは、同じ著者の「Twelve Y. O」「Op.ローズダスト」にも活かされているので、これを機に是非読んでいただきたいです。

終わりに

 どれも序盤から怒涛の展開で、退屈する間もなく楽しませてくれる作品ばかりです。興味のある作品があれば、ぜひ一度お読みいただけると嬉しいです。

 それでは、また!

 

ABOUT ME
榊原 豪
榊原 豪(さかきばら ごう)です。都内在住で、主にマンガ、映画、小説、アニメ等のエンターテイメントの情報を発信していきます。 楽しいこと、面白いことを探すのが好きですし、「何を『面白い』というのか?」という考察なども結構好きです。 よろしくお願いします。