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妄想が引き起こす地獄めぐり第2段 ゲーム「CHAOS;CHILD」の紹介

 こんにちは、榊原です。今日は、ゲームの紹介です。5pbより発売された、「CHAOS;CHILD(カオス・チャイルド)」についてご紹介します。

CHAOS;HEADプレイ済みなら絶対にやるべき!

CHAOS;CHILD

日常の崩壊

前作の知識はほぼ必須

キャラクターのとっつきやすさは改善

3

ストーリー

3

登場人物

5

衝撃の瞬間風速

3

おすすめ度

目次

CHAOS;CHILDとは?

 99%の科学と1%のファンタジーをコンセプトとする科学アドベンチャーシリーズの第3弾です。第1段の「カオス・ヘッド」について、別途記事にしてありますので、そちらも読んでいただけると嬉しいです。

概要

 基本的には、典型的なノベルゲームです。テキストを読み進め、主人公の選択で分岐し、最終的な未来が変わります。カオス・チャイルドについては最初のルートは固定。最後のルートは、他のルートを見終えていないと読めません。

 ヒロインの一人だけが目当てでプレイする人には向かない仕様ですが、そもそもこのシリーズ、恋愛要素にかなり乏しいので、問題ないかと思います。

あらすじ(公式ホームページより)

 『渋谷地震』と呼称されることになった震災から6年。物語は西暦2015年10月──復興中の渋谷区からスタートする。

 碧朋学園へきほうがくえん新聞部の部長、宮代拓留みやしろたくるは、とにかくゴシップが好きだ。そんな彼の元に複数の事件情報が舞い込む。ある者はネット中継で公開処刑され。ある者はストリートライブ中に歌いながら殺され。そしてまたある者は、ホテルで天井から釣られ……。

 宮代達は事件を調査しながら、ある事実に気づく。これは、6年前に渋谷を恐怖のどん底に落としたとある事件の再来なのだと。渋谷で覚醒しつつある妄想具現者『ギガロマニアックス』たち。

 彼らの胎動により妄想の扉が再び解き放たれる……かもしれない。

前提知識

 本作は、カオス・ヘッドの6年後を舞台に物語が始まります。第二段のシュタインズ・ゲートではカオス・ヘッドの主人公である西条拓海のチラ見せ程度でしたが、本作では設定の段階でガッツリ関連します。

 ウィキペディア情報ではありますが、カオス・ヘッドの設定を活用したいという発想から本作の構想は始まったらしいですが、「カオス・ヘッド2」というナンバリングだと新規ユーザーの獲得が困難になるという理由から、直接ナンバーはつけなかったらしいです。

 ただ、これギガロマニアックスを始めとする設定だけではなく、物語の構造という重要な部分までカオス・ヘッドをプレイしていないと意味が分かりません。広告手法に地味に不実な感があります。

 僕は、カオス・ヘッドから順番にこのシリーズはプレイしていたので問題はありませんでしたが、カオス・ヘッド未プレイの人だと厳しかったのではないかと思います。

魅力

ストーリー

 カオス・ヘッドと同様、猟奇的殺人を調査する中で、うごめく陰謀に関わり合う羽目になり、少しずつ日常が侵食していくという流れになっています。

 猟奇的な内容も、前作においては直接的なグロい描写がちょいちょいありましたが、今作においては、生理的嫌悪を感じる様な描写が強めになっています(もちろんグロい描写もバッチリあります)。

 特にオープニングで語られる事件については、やっていることのグロさと異常さがフルスロットルで科学アドベンチャーシリーズをやっているのだと再確認できます。

 事件の真相が見え始めてからの怒涛の展開もカオスヘッドと同様ですが、見方や表現の仕方を変えて工夫しているので、既視感はなく、新しい物語として構成されています。

ルート選択について

 ルートにもよりますが、選択により物語が全く別物になり、どこへ連れて行くのかわからない、酩酊したような感覚が面白いです。

 特に寡黙な少女、香月のルートでは、目が点になること必至のちゃぶ台返しを見せてくれます。どう収集をつけるのかと思ったら、凄まじいアクロバットな着地をかますので、賛否が分かれるところだと思います。

 また、全てのルートをクリアしていないと、最終的な結末には至れないという作りは、手法としては他ゲームでも見たことがありますが、本作特有の理由で有効に活用されていると感じました。

 最終ルートでは、他のルートで明かされる真実を前提として話が進むので、読んでいる側からすると、「ああ、そういうことか」と膝を打つシーンが随所にあり、伏線が効いたうまいシナリオになっています。

登場人物

 カオスヘッドよりも良く言えばとっつきやすくなった、悪く言えば味が薄いキャラクターが多い印象です。

 主人公の拓留は、拓海と異なり、事件に積極的に介入する姿勢を見せますが、言動に幼稚さが目立つため、これが微笑ましいか、ウザいかでだいぶ本作のプレイのしやすさが変わってきます。(地の文で「ネットの知識人」という言葉を使った時に多少眩暈を覚えました……)

 ムードメーカーである尾上世莉架(おのえ せりか)や親友兼相棒の伊藤真二(いとう しんじ)等、陽性のキャラクターが多いため、鬱々とした雰囲気はあまりありません。それが後に地獄のような事態を引き起こすことになってくるところも苦めのスパイス特盛でいいと思います。

マイナス点について

真相

 前作よりも、ミステリー要素が強めになっているのですが、結構無茶苦茶やってます。SFだから何でもあり、というわけではないので、何ができて、何ができないのかというところをもう少し枠を設定してくれないと、何でもありになってしまうように感じました。

主人公への追い込み

 中盤から終盤にかけて、かなり主人公が精神的に追い込まれます。感情移入していると、とても持たないレベルです。物語的にはプラスだと思うのですが、プレイ中は結構きつくて「勘弁してよ」と呟いたのをよく覚えています。

 ゲームをやって、スッキリしたい、楽しい気分になりたいと思う方には全力で本作はお勧めしません。楽しい気分になるシーンより、ギャー!と叫びたくなるシーンの方が余裕で多いです。

終わりに

 カオス・ヘッドをプレイしたなら絶対にやった方がいいと言える良作です。物語の顛末は、個人的にあまり好きではないのですが、感情を揺さぶられる追い込みは、他のゲームにはない破壊力を持っています。

 人を選ぶキャラクターや展開は相変わらずですが、カオスヘッドを乗り越えた人は、結構余裕かもしれません。アニメ版は見たことがありませんが、心理的に押し潰されるような感覚は、心理描写に長けたゲームだからこそ出せる味だと思いますので、ぜひプレイしてみてください。

 それでは、また!

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ABOUT ME
榊原 豪
榊原 豪(さかきばら ごう)です。都内在住で、主にマンガ、映画、小説、アニメ等のエンターテイメントの情報を発信していきます。 楽しいこと、面白いことを探すのが好きですし、「何を『面白い』というのか?」という考察なども結構好きです。 よろしくお願いします。