大切なことが書いてあるけど、全て真に受けると道を外しそう 「エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする」の紹介

 

 こんにちは、榊原です。今日は、本の紹介です。グレッグ・マキューンさん著作の「エッセンシャル思考」についてご紹介します。

 この本は、こんな人におすすめです。

 ◆毎日やることが多すぎて、自分の時間が持てない

 ◆目の前のことに手いっぱいで、混乱している

 ◆一生懸命やっているはずなのに成果が出ない

目次

 概要

 エッセンシャル思考とは、ざっくりとお話しすると、「重要なことを決め、それに対して最大限の努力をすることで成果を上げ、人生を充実させること」となります(本の中で、随所に非エッセンシャル思考とエッセンシャル思考の対比がありますが、まとめるとこんな感じです)。

 努力の成果が出ない→力が拡散されているので、重要なことに集中するべき

 人からの頼みを断れず、仕事を抱え込む→自分にとって重要なこと以外は断る

 常に選択肢を吟味し、重要なこと以外は徹底的にそぎ落とす

 こういった行動を取るための思考のコツが紹介されています。

いいところ

自分の人生というものに向き合える

 学生の方でも、社会人の方でも、気がついたら毎日が日々の繰り返しになってしまい、自分がどこにいるのか、何をしたいのか、これからどうなりたいのかが不明瞭になっている人って、とても多いと思います。

 仕事(学校)に行って、帰ってきて、やりたいことがあったはずなのに、いつの間にか忘れて疲れて眠っている。気がつけば、まともに家族や親友と会話したのがいつか思い出せなくなって、歳だけ取っている。

 この本で紹介する思考は、そういう毎日を終わらせ、「本当にやりたいことって何だっけ?」「自分って、何が好きなんだっけ?」という、根本的な疑問に思いを馳せ、自分の人生をやり直すきっかけになっています。

あれもこれもは無理

 自分の大事なことに向き合うためにも、それを進めるためにも、時間が必要です。本作では、その時間を捻出するための行動を具体的に紹介しています。

 習慣的にやっていた残業、断り切れず引き受けた仕事、さして親しくもない人間と行く飲み会。そういう、ついついやってしまっていた「時間の浪費」を徹底的にズバズバと切ることをこの本では推奨しています。

 この時間を作るための行動は、参考になるべき点が多いと思います。やりたいことがあっても、一日の活動時間というのは変わりませんし(睡眠時間を削ることの危険性についても本では言及)、優先順位というものが必要になってきます。

 また、絞れるだけ絞らなければ、それぞれを少しずつやったところで、成果というものは上がりにくいです。

 スキル振りのゲームで、9振れるとして、9つのパラメーターそれぞれを1上げるのと、筋力だけ9上げるのではだいぶ違いますよね(これはこれでバランスが悪い結果になりますが)。

 何が大事で、集中するべきか?そのために、何を捨てられるのか?そういった問いは、日々の生活を送る上で、とても役立つように思いました。

イマイチなところ

あなたは、「自分」を知っていますか?

 この本では、自分に向いていること、自分が大事だと思うことに対して集中するべき、ということが主な趣旨として書かれていますが、自分のことを知っている人って、そう多くはないのではないかな、と首を傾げるところがありました。

 全然興味のないことだったけれど、やってみると意外に自分に合っていたり、理想とは違っちゃったけど、今の方がずっと楽しいとか、たくさんあると思うんですよね。

 自分で考えて、行動し続けることはとても大事だとは思うのですが、ややもすると極端になってしまって、新しいことを学ぶきっかけを逃してしまう危うさを感じました。

徹底的な実践は、ちょっと危うい

 本作で推奨する行動の一つに、不要な仕事を断り、重要な仕事に集中して成果を上げるというものがありますが、全員ができるわけじゃないなーという提案でした。

 おそらく20代後半くらいからの人には同意してもらえると思いますが、人間には能力的なキャパシティがあります。Aさんが8時間でできるからといって、Bさんが8時間で同じことができるわけではありません。

 すごく残酷で辛いことですが(僕もできない側の人間なので)、どんなに時間をかけて集中しようと「できない」人は一定数います。

 それでも、日々を生きぬいていくために、助けてもらって成り立っているのではないでしょうか(これが、能力の高い人に仕事が集中する原因になるのが、また辛いところですが)。

 そんな中で、誰かにものを頼まれた時にゼロ解答では、確実に目に見える成果を出さなければ、「断っておいてこんなもんか」と失望を受けるでしょう。

 終わりに

 イマイチな部分も書きましたが、総じて参考にすべき点が多い良書です。特に、今の自分の日常に対して、重要なこと、できればやりたいこと、重要でないことなどに行動を整理することは、実践の価値ありだと思います。

 繰り返す日常を見直すきっかけに、ぜひご一読ください。

 それでは、また!

ABOUT ME
榊原 豪
榊原 豪(さかきばら ごう)です。都内在住で、主にマンガ、映画、小説、アニメ等のエンターテイメントの情報を発信していきます。 楽しいこと、面白いことを探すのが好きですし、「何を『面白い』というのか?」という考察なども結構好きです。 よろしくお願いします。