こんにちは、榊原です。今日は、本の紹介です。飲茶さん著作の自己啓発本「体験の哲学 地上最強の人生に役立つ哲学体験法」についてご紹介します。
目次
飲茶とは?
史上最強の哲学入門など、斬新な切り口から哲学の入門書を書く作家さんです。コメディ部分も多く、笑いながら読め、読み終わった後は哲学部分もしっかり理解できる本を主に書かれています。
以前、このブログでも「飲茶の「最強!」のニーチェ」や「正義の教室」について紹介しましたので、そちらもお読みいただけると嬉しいです。
哲学的ゾンビとは
突然ですが、僕たちは日々を漫然と過ごしていないでしょうか?昨日帰った時、どういう景色を見たか覚えていますか。頬を撫でる風の感触を覚えていますか。家について、靴をどちらから脱いだか覚えていますか。
そういった、習慣になりすぎてて、全く内面的には何も感じていない人間のことを、哲学の世界では「哲学的ゾンビ」というそうです。
この本では、哲学的ゾンビから脱するために、今この瞬間の体験を意識し直し、人生を楽しく生きるというのが主なコンセプトとなります。要するに、「体験を意識して、味わって生きよ」ということですね。
この話は、以前ご紹介した「飲茶の「最強!」のニーチェ」でも取り上げられています。その中での実践行動は、三分呼吸だけに集中して、自分が如何に日常で意識をせずに様々な物事をしているかを実感させるものでした。
並行作業への警鐘
ちょっと本の内容から外れますが、この本の内容は、我々が日々行っている並行作業への警鐘に感じました。
例えば、職場や学校に行くときに、何度も聞いた曲やラジオを聴くことってありますよね。その結果、イヤホンから聞こえる曲や言葉に集中して、自分が歩いているという感覚や、太陽の日差しなどを感じることができずに、その時間をぼんやりと生きてしまっているのではないでしょうか。
動画やラジオが情報収集になっているため、その全てが悪いわけではありませんが、並行作業をすることにより、僕たちの脳の働きが悪くなることは確かなようです。少し、日々の習慣を見直していいのかもしれません。
といいながら、この記事をラジオ聞きながらやってしまっているので、説得力ありませんが……(笑)。
未知との遭遇
例えイヤホンを取ったとしても、同じように日々を生きていれば、やはり注意を向けられず、ぼうっと生きてしまいがちです。
そこで、この本では、「知っている」と思い込みを外し、未知を体験しようというのが大きなテーマの一つになっています。
紹介している未知の体験はハードルの高いものではなく、様々な体験を細分化してチェックリストにしています。例えば、「食べる」という項目の中に「リンゴ」という項目があります。
リンゴを食べたことがあるという人は多いと思いますが、リンゴの種類として、「姫リンゴ」「ふじ」「紅将軍」など30個以上の項目があります。リンゴ農家でもない限り、これらを全て食べて、どういう味か体験しているという人はいないのではないでしょうか。
その一つ一つがチェックリストになって入りため、様々な体験をやっている自分を認識できる、という作りになっています。
本の効用について
この本は、習慣化し過ぎている日々に目を向けてみたり、今までやってこなかった身近な未知の体験をしなければ意味がありません。
読むだけで劇的に何かが変わることはなく、油断するとまた全く同じ日常が返ってきて、何も変わらない日々が続いてしまいます。
体験のチェックリストを使うかどうかはさておいて、今の自分の状態を確認する、未知を知るための行動を起こすというのは、意義深いことだと思います。
終わりに
考え方の転換の機会となり、固定化された日常を脱却するためのヒントとなる本です。今の日々に退屈している人、何か新しいものを知りたい人におすすめの一冊です。
大人気漫画「刃牙」シリーで「いただきます」と頭を下げた父親の姿に対する、主人公の問い(「いったい何に頭を下げたのだ!!?」)の紹介など、コミカルで読みやすい部分もあります。一読する価値ありです。
それでは、また!