こんにちは、榊原です。今日は、謎解きキット「DetectiveX CASE FILE2 ブラックローズ」についてご紹介します。
DetectiveXとは?
直木賞作家の道尾秀介さんが執筆等を手掛けた謎解きキットのシリーズです。検死調書・取り調べの調書など、リアリティある資料や個性あるキャラクター、先が読めないシナリオ、何よりも自分が捜査をしている実感が魅力です。
第一作、『御仏の殺人』が2022年の11月に発売され、大好評からの2作目となります。前作についての紹介はこちらになります。
あらすじ(公式ホームページより)
ラグジュアリーなホテルのパーティーで、「黒いバラ」の開発に成功した女性経営者が殺害された。
さらには、依頼者である記者の息子も行方不明になっている。
犯人は誰? 少年の行方は? 殺人と行方不明との関係は?
謎が謎を呼び、状況は二転三転。パーティー参加者たちの不可解な証言や、さまざまな写真、動画や音声といった大量の警察資料を紐解き、事件の真実を暴け!
ストーリー・キャラクターについて
刻々と変わる状況や、徐々に姿を見せる被害者と容疑者の関係性、辿り着いた真相での驚きなど、前作でのいいところがそのまま引き継がれています。
取り調べ調書などで容疑者と被害者の関係性や感情などを、一人称の小説のように語ってくれるので、容疑者という『記号』ではなく、生きたキャラクターになっています。この辺は、道夫さんの技量が如何なく発揮されています。
また、詳しくはネタバレになってしまうので控えますが、捜査のギミックについて新しいことにも挑戦しており、まだまだ改良していく気概を感じました。
捜査について
依頼者からの手紙から始まり、捜査資料を読み込み、事件を捜査するという流れは第一作目の流れを踏襲しています。このシリーズの導入の基本になるのでしょう。
事件現場となるホテルのパンフレット、週刊誌の記事、現場の写真など、一つ一つにリアリティがあり、『事件を捜査している』という感覚が素晴らしく楽しいです。
どうしても、謎を解く前に資料を読み込む時間が長くならざるを得ませんが(特に容疑者の人数分ある聞き取り調書が長い!)、致し方ないところでしょう。
難易度について
依頼者に提示される謎に答えを出していくために膨大な資料を読み込む必要はありますが、よく考えてチェックしていけば解けます。慣れている人なら3時間かからないくらいでしょうか?僕は4時間程度で終わりました。
ただ、写真画像で証拠物をチェックするところで分かりにくいところがありました(アイフォン16使用)。明らかに一緒にプレイしていた妻のギャラクシーと色の見え方が違っていたので、アイフォンユーザーは注意してください。
終わりに
前回のいいところを残しつつ、新しいことを盛り込んだ理想的な続編だと思います。今後のシリーズ展開を期待しつつ、本作の売れ行きに目を付けた業界が、こういう本格的な推理キットをたくさん出してくれれば嬉しいですね。
それにしても、道夫さんの多彩さには驚愕します。詳しくはネタバレになるので言えませんが、スタッフロールを見て、『これも自分でやってんの!?』と口あんぐりになること、請け合いです。
それでは、また!