こんにちは、榊原です。今日は、映画の紹介です。「呪術廻戦 0」の紹介をします。基本的にネタバレ無しですが、アニメ版と予告編程度の記述はありますのでご承知おきください。
目次
呪術廻戦について
2018年より週刊少年ジャンプで連載中のバトルマンガです。アニメ化もされており、本作は時間軸上では一巻の前日単となるため、本編の主人公である虎杖 悠仁(いたどり ゆうじ)はかけらも登場しません。
アニメ版の予習について
全くの初見でも「乙骨 憂太(おっこつ ゆうた)」の物語は追えますが、同級生として出てくる「パンダ」、「狗巻棘(いぬまき とげ)」、「禪院 真希(ぜんいん まき)」の特性や背景などはあまり語られませんので、かなりわかりづらいと思います。
また、呪術の存在や等級の考え方など、アニメ版を見ている人であれば復習程度で済みますが、劇場版からだとわかりにくい専門用語がポンポン飛び出してくるため、情報の整理が大変かなと思います。
そのため、必須とまでは言いませんが、本作を十分に楽しむうえでは、アニメ版の20話くらいまで見ておいた方がいいと思います(結構な後半ですが)。
三幕構成
第一幕:憂太と里香の出会いと顛末
ターニングポイント→憂太による里香顕現
第二幕:呪術高専における日々
ターニングポイント:→夏油 傑(げとう すぐる)からの宣戦布告
第三幕:百鬼夜行
あらすじ
乙骨憂太は、かつて亡くした幼馴染「祈本 里香(おりもと りか)」の呪霊に憑りつかれていた。
里香が原因で引き起こされた事件がきっかけで、呪術師「五条 悟(ごじょう さとる)」と出会った憂太は、東京都立呪術高等専門学校への編入をもちかけられる。
新しい場所、新しい人間たちの中で、憂太は、自分の居場所を作れるのか……。
ストーリー
プラスのポイントについて
①ウジウジタイムが短い
予告編を見る限りでは、碇シンジ役の緒方恵さんが声をあてていることもあり、ウジウジタイムが長いのかなーと思いきや、序盤で結構短く済ませてくれます。
憂太自身、結構人と積極的に喋ったり、自身の心情を口にしてくれるので、「あ……いや……」とグダグダやる展開がありません。ここは本当にありがたいと思います。シン・エヴァンゲリオンだと吹っ切れるまでに一時間くらいは使いましたからね。
憂太を囲む同級生や教師たちが揃いも揃って気のいい人たちばかりなので、人間関係的にストレスを抱え込むことがないのもいいと思います。正直、憂太みたいなヤバい人が転入してきたら、関わりたくなくて避けること間違いなしだと思いますが、この辺は少年漫画ですし、テーマと違うということでしょう。
②アクションが凄い
美術的な感じがする鬼滅の刃とは違う、マンガっぽいのうまさを感じました。各キャラがとにかく動く動く。
原作は未読なので、どう描いているのかはわかりませんが、本作は結構殴り合い、斬り合いに時間を使っているので、映画ならではの魅せ方だと思います。
また、単なる殴り合いに終始せず、能力を活かした戦術的な部分も所々見えたので、こういうところもいいと思います。
③里香の声がいい
今作に出てくる声優さんで、ダントツに印象に残りました。言っていることは可愛いはずなのに、サイコホラー感漂う演出になっていて親指立ちます。
マイナス点について
①百鬼夜行のショボさについて
予告にもあるとおり、全ては夏油の仕掛ける百鬼夜行に集約されていきます。百鬼夜行、というだけあって、化け物が総出でやってくるわけですが、物語の焦点が憂太に集中しているめ、あまり戦争のようなスケール感・イベント感は感じられませんでした。
②五条先生の立ち回りについて
作品内(特にテレビ版)で言われているほど最強の術師には感じられなかったのはちょっと不満です。テレビ版だと圧倒的強者感があったのですが、本作ですとそれほどでもありませんでした。
敵に素早く連撃を入れて圧倒するシーンでも、「凄い!」というよりも、「あれだけ叩き込まないとダメなの?」という思いが先行しました。
『最強の呪術師』という建前上、物語を描くときに活用しづらいのだと思います(五条先生がラスボスと接触すると話が終わるため)。
今作が憂太の物語である以上、五条先生をどう憂太から遠ざけるかに気を遣っていた感があります。この辺りは、主人公よりも強い脇役を設定するときの悩みどころなのかもしれません。
③予告編見せすぎ問題
作品の問題ではないのですが、予告編で内容を見せすぎのような気がします。予告編で作品の7割くらいは展開がわかります。
特に憂太が「来い……里香ぁ!」と叫ぶシーンについては、非常にかっこいい見せ場になっているため、ここが最大級にテンションが上がるのでは?と危惧していましたが、あたっていました。だからこそ宣伝に仕えるというのもわかりますが、ここを予告で使うのはあまりにももったいないと思います。
最後に
前提知識を必要とする面もありますが、鬼滅の刃の劇場版より見やすいと思います(あれは話の途中から途中までなのでスッキリしない)。
やたら上映回数が多いので、現在最も鑑賞しやすい映画であることは間違いありません。話のテンポが良く、起承転結がまとまっている良作のため、見ておいて間違いなく損はないです。
流石に鬼滅の刃のような興行収入とはいかないでしょうが、大プッシュされている作品ですし、ぜひぜひ百鬼夜行にご参加ください。
それでは、また!