こんにちは、榊原です。今日は本の紹介です。よしたにさん著作の漫画「いつかモテるかな」についてご紹介します。
この本は、こんな人におすすめです。
・恋愛したいけど、行動する勇気が出ない⇒行動するとどうなるのか見たい
・自分の魅力を高めたいけど、どうすればいいかわからない⇒行動するとどうなるのか見たい
・出会いの場を求めているけれど、どこに行けばいいのかわからない⇒行動するとどうなるのか見たい
そうです。この本は、恋愛のため(モテるため)に行動するという、とても正しく、でも、ちょっと滑稽な活動をした時にどうなるのか疑似体験できるマンガです。
目次
マンガ家「よしたに」について
コミックエッセイ「ぼく、オタリーマン」で一世を風靡した漫画家さんです。自虐ネタを多数含んだコミカルな語り口と、アッサリとした絵柄が特徴的な方です。
本作の他にも、「理系の人々」や「僕の体はツーアウト」など、テーマに沿ったエッセイや会社員時代のエピソードが語られています。
概要
連載当時38歳だったよしたにさんに、「彼女を作る」というコンセプトで、服装の改善や婚活パーティー参加、結婚相談所の取材など、様々な手法で出会いの場所を増やし、自らの魅力向上に努めていくという流れになっています。
それぞれの話は、せいぜい10ページ程度と短く、次回に続く内容も少ないので、非常に読みやすいです。
魅力
自分の魅力について考える機会
「自分に値段をつけられたくない」という本作のキラーワードがありますが、大なり小なり異性を食事に誘う時などは、自分と相手のつり合い(これも嫌な言葉ですね……)を考えると思います。
本作においては、資金力、コミュニケーション力、見た目など、よしたにさんが、あらゆる観点から自己を客観的に見て、改善の行動をしたり、行動開始の遅さに絶望したりしています。
このよしたにさんの身を削るような活動の数々を見て、読んでいる読者側は、精神的な痛みを感じることなく改善の機会を得ているのは、本作の魅力です。
内容の多様性
異性に対する魅力の向上というと、見た目とコミュニケーションの改善で話が終わってしまいそうですが、この漫画はそうなっていません。
女性を部屋に呼んだ時を想定して、レイアウトのコンサルタントに助力を願ったり、食事のための店選びの手法を有名ブロガーに聞いたり、更には歩き方のジムに体験入学する等、多種多様な取材活動に取り組みます。
よしたにさん個人の力なのか、集英社という巨大企業の力なのかはわかりませんが、「こんな業界があるんだ」と感心させられる幅の広さが面白いです。
実践という苦痛
職場の女の子を飲みに誘ったり、合コンに参加するときって、「あぁ、俺何やってるんだろう……」と自分を冷めた目で見てしまうことって、無いでしょうか?この漫画は、そういう痛みのオンパレードです。
よしたにさん自身もが、自分や相手の言動に内心で突っ込みを入れ、更にそれを見る我々が過去の経験を思い出してもだえ苦しむという痛みの多重構造が発生しています。
それまでにしてきたモテ努力の数々を見ているにも拘らず、結局はグダグダになってしまい、チャンスを逃していく様は、我々の実人生そのもので、気づかずに口から「ぎゃー!」という悲鳴が漏れています。
この「ぎゃー!」と意味もなく口に出したくなる痛みこそが、圧倒的共感によりページをめくり、そのキツ過ぎる行動の展開を見たいと思ってしまう魅力となっています。
本作が合わない人
本作はあくまでも恋愛関係の入り口における痛みを多く書いているので、その点に関して全然苦労したことがない人が読んでも、さほど面白くないかもしれないです。
終わりに
恋愛で七転八倒した体験を持つ人には、高確率で何かしら刺さる、共感度が高すぎて身もだえする良書です。「いつかモテるかな」のタイトル通り、いつになっても好転する気配無く、時が過ぎていく男の生きざまを、ぜひご覧いただきたいと思います。
なお、共感は半端じゃありませんが、うまくいかなさ具合も凄いので、恋人を求めて、その行動方針を勉強したい人は、他の本の方がよろしいかと思います。
それでは、また!