こんにちは、榊原です。今日は、映画の紹介です。MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)最新作「エターナルズ」についてご紹介します。核心部分のネタバレはありませんが、予告編+α程度の内容紹介はします。
目次
MCUとは?
アメリカの2大コミック社DCとマーベルの内、マーベル内に登場する異なる作品のヒーローを、同一の世界観として設定し、力を合わせて地球を守るというシリーズです。
特に有名なタイトルは「アベンジャーズ」で、「日本よ、これが映画だ」という中々に上から目線のキャッチコピーが話題になりました。
アイアンマンから始まったMCUは今作で26作目。しかも、007と異なり、全てのストーリーが繋がっているので、全く説明されていないキャラクターが、当然のように出てきたりします。
基本的にMCUはヒーロー単独の作品→アベンジャーズで集合という流れだったのですが、近年では単独の作品ですら、他作品のヒーローが登場するので、単独ですら前提知識を要するものも少なくありません。
個人的には、22作品目の「アベンジャーズ エンドゲーム」でほぼすべての物語に一応のケリはついているので、これ以上続ける意味があるのかなぁという気がしないでもありませんが、そこは大人の事情もあるので、今後も延々と続くのでしょう。
僕はMCU関連のシリーズはほぼすべて鑑賞しているので、一種の義務として新作が上映されるたびに鑑賞していますが、監督や登場するヒーローによって、かなり当たりハズレがあるシリーズであるのは、仕様と割り切るしかありません。
そんなMCUから、新たなヒーローとして登場するのが、今回のエターナルズとなります。
あらすじ
創造主「エレスティアルズ」に命じられ、7,000年前より人類を守護する存在として遣わされた10人の「エターナルズ」。人類を殺戮する存在「ディヴィアンツ」を殲滅した彼らは、帰還命令が出るまでの間、人間社会に溶け込んで穏やかに暮らしていた。
しかし、500年後、再び姿を見せるディヴィアンツ。エターナルズの一人、セルシはこの事態に対処するため、かつての仲間たちを再集結すべく行動を開始するが……。
ストーリーについて
今までのMCUキャラは登場せず(名前だけ触れる)、あくまでもエターナルズのみで対処するという、近年のマーベル映画としては結構珍しい造りとなっています。
それもそのはずで、彼らの因縁は何と7,000年前からのもの。地球への来訪と、ディヴィアンツとの戦い、そして解散を結構丁寧に描いてくれるので、感情移入については困らないと思います。
何故ディヴィアンツは復活したのか、何故帰還命令が500年も出ないのかについては、若干ミステリー仕立ての要素はあるのですが、結構構造がガバガバに緩いので、首を捻るところが相当数ありました。
再結成から事態への対処、障壁の登場、事態の終結と話は進んでいくのですが、10人もいるエターナルズの個別の特徴や能力、悩みなどについて言及していくため、テンポは悪いと言わざるを得ません。
この映画、2時間半ほどあるのですが、その多くの部分がメンバー紹介になっているので、話が動き出すまでに結構時間かかります。これなら、メンバーを半分くらいにしても良かったような……。
キャラクターについて
上にも書きましたが、エターナルズは10人もいるので、名前と顔、能力を一致させるのがかなり困難です。ぶっちゃけ、終盤になっても名前を覚えられない人もいたのではないでしょうか。
ついでに、エターナルズの面々は、人間を超えた存在として描かれますが、その能力はかなり微妙で、キャプテンアメリカくらいには勝てそうですが、スカーレットウィッチ辺りには普通に負けそうなくらいの強さです。
おそらくは今後のシリーズ展開を考えて強さを調節しているのだとは思いますが、せっかく7,000年生きているので、彼らなりの特出した何かがあってよかったように思います。
また、キャラクターの葛藤や悩みも全体的に予想の範疇を超えない薄味なものなので、あんまり印象に残るキャラクターはいませんでした。次回以降は他のヒーローとの絡みが色濃くなっていくものと予想されますが、埋もれてしまわないか心配です。
以下、ざっくりと各キャラクターの能力紹介などを書いていきます。
セルシ:今回の主役級として活躍。女性。能力は、物質の構造を変化させることで、岩を砂に変えたりします。質量保存の法則を無視できるため、鋼の錬金術師より強いです。エターナルズの一人、イカリスとは恋愛関係にあるのですが、この人たちが惹かれ合う描写が薄かったので、ちょっと印象に残らなかったです。
この辺、長い時間を生きる中で、生きることに飽きる描写とかあると、エターナルならではの悩みが出てくると思うのですが、残念ながらありませんでした。
イカリス:準主役級。男性。目からビームを出す+空を飛ぶということで、エックスメンに入れそうです。戦闘能力では最強クラスとして描かれますが、ディヴィアンツを瞬殺できるわけではないので、強さがよくわかりませんでした。
スプライト:準主役級。女性。幻を生み出して、敵を幻惑させるという、ドラクエでいうとマヌーサしか使えないので、あんまり役に立っている感じがしません。何故かデザインは10歳くらいの少女で固定化されているので、絶対者の歪んだ趣味を感じました。
セナ:女性。光の剣や盾を生み出す+体術という、アンジェリーナ・ジョリーが演じているだけあって、無駄に強そうです。暴走気味になっているときは、本当に顔がヤバいのは、この作品内で抜きんでたホラーシーンだと思います。
マッカリ:女性。超スピードで救助、敵の攪乱、攻撃などを担当。これ、完全にエックスメンのクイックシルバーですよね……。MCUではほぼ同じ能力のやつが出てきているんですけど、何でまた出したのか本気で謎です。障害があるのか、全て手話で会話しているのですが、これ、意味があったのかわかりませんでした。
キンゴ:男性。手から霊丸(レイガン)みたいな弾丸を射出。攻撃担当で連射も聞くので、そこそこ役に立っていた印象なのに、話の核にはかかわってこないという残念なインド系。いいやつっぽい空気を出していましたが、人間として溶け込むために、仲間であるスプライトを放り出すという外道。
ギルガメッシュ:男性。超破壊力で殴る。Fateというアニメをご存じの方なら、「こんなのギルガメッシュじゃない!」と叫ぶこと確定のジャイアン的存在。韓国映画で超有名のマ・ドンソクが演じているため、問答無用でいい人に見えるという不思議。
ドルイグ:男性。人の行動を操る。この人が人間を操って、通常弾頭の銃でディヴィアンツにそこそこ足止めできていたので、いっきにディヴィアンツの格が下がった印象。ビジュアルがスタートレックのスポックに似ていますが、多分別の役者さん。
エイジャック:女性。回復役。立ち上げ初期のリーダーの割に、リーダーっぽいことをしていなかったような気がします。重要なキャラクターのはずなのに、今一つ印象に残らないのは、多分華のないビジュアルのせい(失礼)。
ファストス:男性。技術・物質開発。ついでにゲイ。監督の意向かはわかりませんが、今回の作品はとにかく多様化が凄まじいですね(黒人、女性リーダー、同性愛者、ろうあ者)。これなら、どこからも文句は出ないんじゃないでしょうか。それが面白いかどうかはともかくとして。
今全員の能力をざっと書いていて思いましたけど、サポート系の能力が多すぎではないでしょうか。攻撃系の能力者も、さほど突出して強いわけではないし……。神の采配の雑さを感じます。
最後に
単品では手放しにおすすめはしにくいのですが、本作で一気にキャラクターは増加しましたし、絶対者という、今後の展開の鍵となる存在も現れたので、次作以降のMCUを楽しむために、必見の作品です。是非、ご覧ください。
それでは、また!