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アクションとミステリのバランスが絶妙 「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」の感想(ネタバレ無し)

 こんにちは、榊原です。先週の金曜日から公開された「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」についての感想です。

 基本ネタバレはありませんが、予告編程度の内容には触れますので、ご注意ください。

目次

あらすじ

コナンたちは高木渉と佐藤美和子の結婚式に招待され参列するが、その最中に複数の男が押し入る。ことなきを得たものの、佐藤は再び死神を高木に幻視してしまう。

 同じ頃、東都タワーの爆弾事件で佐藤たちが逮捕した爆弾犯が脱獄しており、安室と風見が追跡していた。2人は男を追い詰めるも、男に仕掛けられていた首輪爆弾が爆発、爆風で吹き飛ばされ落下しそうになった風見を助けた安室の前に仮面の人物が現れ、同じ首輪爆弾を付けられてしまう。

 後日、警視庁から帰ろうとしていたコナンたちは、ロシア人の男性とすれ違うが、男が落とした紙を灰原が拾って渡した直後に男が持っていたタブレットが爆発する。

 男の遺留品から「捜査一課」の肩書が入った松田刑事の名刺が出て来たことから、松田が一課にいた一週間の間に出会った人物ではないかと推測され、佐藤は当時の日誌の調査を始めるが……。

アクションとミステリのバランス

 コナン映画はアクションとミステリのバランスが非常に難しいシリーズです。ミステリに傾けると、テレビシリーズでもよかったのではないかと思うほど地味になり、アクションに傾けるとコナン映画である必然性に乏しくなります。

 今回のハロウィンの花嫁は、その難しいバランスを取り、「次は何が起きるんだろう」「どういう意図でこの事件を起こしたのだろう」とハラハラする上質な映画となっていました。

ミステリパート

 警視庁前で起こった爆発事件と襲われた安室を繋ぐ3年前の事件。コナンが安室の警察学校時代の同期3人が関わった最後の事件を調査し、正体不明の爆弾魔「プラーミャ」を追うこととなります。

 安室が回想する松田、伊達、諸伏と共に扱った事件は、彼らとのチーム感や硬派なアクションが魅力的で、もっと彼らの活躍を見ていたいと思いました。

 警察学校時代のエピソードはコミック化されていますが、必要な部分はバッチリ情報を伝えてくれますので、予備知識全くなしでも大丈夫です(僕も未見です)。

 

 むしろ、同期の一人である松田が殉職することとなった爆弾事件については、ちょっと駆け足になっている部分があるので、コミックスで復習した方が話が飲み込みやすいかなーと感じました。

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 ハロウィンの花嫁で優れているのは「何でこの犯行が行われたのか」「何で犯行を止めるためにこの捜査手法なのか」という点を、こちらにキッチリと説明したうえで、それが合理的と納得できるものになっていることです。

 犯人を特定する伏線については、ちゃんと明かされており、フェアに作られているのも好感度高いです。

アクションパート

 劇場版ではお馴染みのスケボーアクションや弾丸シュートに加え、短い制限時間での爆弾処理、犯人との格闘戦など非常に見ごたえのあるシーンが多かったです。

 ヒカリエ、109、MIYASHITA PARK、マークシティビルなど、渋谷に実在する様々な場所を舞台に、コナンたちが縦横無尽に駆け巡ります。

 渋谷に行ったことのある人であれば、「ああ、あの建物観たことある」と知っている場所が冒険の舞台として使われる嬉しさを味わえます。

 6月10日(金)まで開催される『渋コナスタンプラリー』でポイントをためると、ノベルティがもらえますし、パンフレットには劇中で使われた場所を解説しているので、今後聖地巡礼が増えるかもしれませんね。

 渋谷でこの映画を見た後、パンフレットを片手に街をうろつくというのも面白いと思います。

キャラクターの魅せ方が巧い

 お馴染みのキャラクターたちが真実を求めて奔走しますが、数多くのキャラクターたちを整理し、有機的に動かすやり方が本当に巧いです。

 登場するそれぞれのキャラクターに合った役割があり、活躍の場を用意してくれています。ほんの少しの登場シーンでも、見終わった後は確実に記憶に残るようなシーンが素晴らしいと感じました。

 中でも、今回のキーパーソンである安室がいいです。過去作「ゼロの執行人」では超然としているところがありましたが、ハロウィンの花嫁でコナンに同期の友人のことを語るとき、どこか照れくさいような、苦いような表情を浮かべるんですよね。

 もう戻ってこない友人との思い出に痛みながらも、どこか誇らしげに語るシーンは珠玉の出来です。

 ゼロの執行人で安室のカッコよさが話題になりましたが、今回の映画では安室の内面に触れるシーンが多く用意されているので、ファンが増えると思います。

パンフレットについて

 ストーリー、声優さんのコメント、監督・脚本・撮影監督等へのインタビュー、劇中で使われた渋谷の解説、イメージボードなど、非常に見ごたえのある一冊になっています。

 特にイメージボードは、劇中の鍵となるシーンの数々がイラストで描かれており、買ってよかったと思える豪華さです。

 ただ、ストーリーは中盤くらいまでネタバレしていますし、イメージボードでクライマックスシーンの絵を見せていますので、鑑賞後に読まれることを強くお勧めします。

終わりに

 魅力的なキャラクターたち、疾走感のあるストーリー、見ごたえのあるアクションなど様々な見所がある映画です。

 一人でも友達とでも恋人とでも楽しめる一本です。本当に面白い映画ですので、ご覧いただけると嬉しいです。

 ちょっとネタバレも書きたいので、そちらは別の記事として書きます。

 それでは、また!

ABOUT ME
榊原 豪
榊原 豪(さかきばら ごう)です。都内在住で、主にマンガ、映画、小説、アニメ等のエンターテイメントの情報を発信していきます。 楽しいこと、面白いことを探すのが好きですし、「何を『面白い』というのか?」という考察なども結構好きです。 よろしくお願いします。