こんにちは、榊原です。今日は、本の紹介をします。森博嗣さん著作の「やりがいのある仕事という幻想」をご紹介します。
『仕事』へ疲れた人たちへの薬
「やりがいのある仕事」という幻想
仕事への悩み解消の糸口
意識改革のきっかけ
楽しいことを探せばいい
テーマの普遍性
情熱
スッキリ感
おすすめ度
目次
森博嗣とは?
「すべててがFになる」でデビューし、ミステリー小説を主に書いていらっしゃる作家です。最近では、エッセイを出版することが多いです。
森さんについては、以前「夢の叶え方を知っていますか」の感想を書いたので、こちらもご覧いただけると嬉しいです。
本書について
森さんのエッセイは数多くあるのですが「悲観する力」「諦めの価値」など、読んで気合の入るというよりは、自分の抱いている固定観念について、もう少し考え直してみようと思うようになる内容が多いと思いです。
本作の魅力
「仕事をしていると偉いのか」「楽しく仕事をしたい」「仕事は重要なのか」など、仕事にまつわる項目について、一つ一つ森さん自身の考えが書いてあります。
この項目一つ一つを淡々と、かつ身も蓋もなくズバズバと無機質に切っており、それが心地よく感じます。
「仕事に貴賤は存在しない」という言葉はあれど、「どの仕事も尊い」ではなく、「どの仕事も等しく価値がない」という主張をするのは珍しいのではないでしょうか。
やや極端ではあるものの、今現在仕事をすることについて悩んでいる人が本書を読むと辛い気分が和らぎます。
能力的に問題があるような発言を上司などからされたり、人格を否定するような発言で日々落ち込んでいる人が本書を読んでも、辛い現実は存在し続けます。それでも「仕事なんて重要じゃない」ということを胸においておけば、自分を責める気持ちは少なくなり、ほんの少しでもマシな気持ちで日々を生きられると思います。
本書が合わない人について
仕事に熱意をもって取り組んでいる人、それを他人にも求める人に対しては、本書は合わないと思います。
熱に水をぶっかける様な発言が次から次へと書いてあって、うんざりすること請け合いです。タイトルを見た時点で、読まないとは思いますが……。
本当に大事なこと
本書でも、「夢の叶え方を知っていますか」でもそうなのですが、一貫して『自分で考えることの重要性』を説いています。
あくまでも本に書いてあるのは個人的な考えであり、読む人は自分で考えて、自分の人生を切り開いていくしかないということです。
こういうことを改めて書く点は、誠実であると思います。ビジネス本などを呼んでいると、断定的に言い切る本が結構多いように思います(本の性質という点もあるのでしょうが)。
終わりに
身も蓋もなさ過ぎて、参考にならない、そんな簡単なものではないと反発する部分も少なからずあるのですが、それでもこの本を読んでしまうのは、それが真実の一端を捕らえているからだと思います。
日々の仕事や自分の在り方に悩んでいる人に対しての痛み止めとしておススメの書籍です。是非ご覧ください。
それでは、また!