こんにちは、榊原です。今日は小説の紹介です。成田良悟さん著作「バッカーノ! The Rolling Bootlegs」を紹介します。
成田良悟さんについて
以前ご紹介した「Fate/strangefake」や「デュララララ!!」の作者、先日アニメが放送されていた「デッドマウント・ディスプレイ」の原作者などをしている方です。
現在キンドルアンリミテッドで無料読み放題になっているため、読んでみました。
あらすじ(アマゾンより)
禁酒法時代、ニューヨーク。裏組織“カモッラ”は重要な儀式を数日後に控えていた。泥棒カップルはグランド・セントラル・ステーションに着いたばかりだった。マフィアの三兄弟はちょっとした問題を抱えていた。チンピラの少年は思い通りにならない現実にムカついていた。職務に忠実な警部補はそんな彼らを疎ましく思っていた。そして、錬金術師の野望は200年を経て、未だついえる事はなかった。彼らはまだ、互いに関わりの無い者同士であった。このマンハッタンに“不死の酒”が蘇るまでは―。
ストーリーについて
カモッラに所属する青年フィーロ、底抜けに陽気な強盗アイザックとミリア、錬金術師セラード、セラードの部下エ二スなど、様々な人間の視点で物語が進む群像劇となっています。
この物語の面白いのは、どういう物語なのか、どこに着地するのか、全く読めないまま話が展開していくことです。
最初こそフィーロが主人公なのかと思いますが、中盤以降は話の核心に踏み込んでこなかったりします。アイザックとミリアが本人たちも知らないところで重要な役割をはたしますし、ドラマ的な因縁を持つのはマフィアのガンドール兄弟です。
複数の登場人物たちが、それぞれ好き勝手に動く中、不死の酒と錬金術師の因縁をめぐる物語が彩られます。視点が複数の上に、キャラクターの名前がカタカナなのでややとっつきにくくはありますが、どこへ連れていくかわからないジェットコースター(あるいはミステリーツアー?)のような楽しさがあります。
シリーズの魅力について
現在は22巻まで出ているようです(ウィキペディア調べ)。まだ僕の方は5巻までしか読んでいませんが、どの物語も一定以上の質の高さがあります。
凄いのは、設定が共通の世界観ではありますが、核となる登場人物が巻ごとに異なっていることです。更に、物語ごとに魅力的な登場人物たちがガンガン出てきます。
顔に刺青を持つ泣き虫マフィアのジャグジーや怪談レイルトレーサー(線路の影をなぞる者)を自称する男など、セリフ回しや行動原理が一々印象に残るキャラがたくさん出てくるので、読めばお気に入りのキャラクターがいることでしょう。
最後に
巻数が多いので読破はなかなか時間がかかりそうですが、楽しい時間を長く過ごせるという意味では最高です。無料ですしね。仕事中の昼休みにどうでもいい動画を聞いているよりも、よほど楽しい時間を過ごせます。
キンドルアンリミテッドは月額980円なので、2冊も読めばお釣りがくるほどです。他にも漫画や雑誌などが読めますし、興味があれば、一度加入してみてください。
それでは、また!