こんにちは、榊原です。今日は、アニメの紹介です。ボンズ制作のアニメ「un-go」を紹介いたします。
目次
un-goとは?
坂口安吾の著作「明治開化 安吾捕物帖」に着想を得たアニメ……のはずですが、舞台設定などを大幅にアレンジしています。
原作では明治時代中期が設定ですが、本作は近未来です。現代の技術であるARでアイドルアプリ(通称ドルプリ)というアイドルが目の前に現れるガジェットがあるなど、ある部分では2022年よりも進んでいます。
あらすじ
“終戦”を迎えたばかりの近未来の東京。そこでは、探偵業が流行らなくなった代わりに、メディア王・海勝麟六が膨大な情報量と優れた頭脳を生かして、幾多の難事件を解決していた。
しかし、実は麟六の推理には裏があり、それをあぶり出すのが、「最後の名探偵」と呼ばれる結城新十郎と、その相棒・因果。
世間からは、「敗戦探偵」と言われているが、それでも2人は力を合わせて、様々な難事件の解決に挑むのだった。
魅力
ストーリー
新十郎が連れている少年因果は、超現実的な存在で、相手に対して一問だけ強制的に質問を答えさせるという、ミステリーに登場する能力としては、掟破りにもほどがある能力を保持しています。
本作の面白いのは、この能力の使いどころが、事件を解決するためではなく、その事件の裏にある人の業を暴くためであるということです。
事件そのものも謎めいていますが、新十郎がパキパキと説明してくれるので、サラサラと解決されます。
何よりも面白いのは、新十郎が犯人を当てて事件解決ではなく、真実が暴かれることによりこまる人間がそれを全て隠蔽し、美しい解決に落とし込まれてしまうというところです。
それでも、新十郎や因果の顔は曇っていません。彼らの望みは、真実を明らかにすることではなく、その裏の業を暴いていくことだからです。
登場人物
淡々としながらも、内には熱いものを秘め、事件に介入し続ける主人公新十郎が魅力的に描かれています。
各話に登場するゲストキャラクターたちも作品の特性ゆえか、結構な業をそれぞれ背負っていて、それに相棒である因果と共に向き合う姿が本作の最大の魅力です。
設定
「新情報拡散措置法」という法律により、前述したドルプリの発売禁止や、政府を批判する言動への取り締まり、技術流出のための強制捜査など、警察や検察がかなり強権を振るっていてディストピア的な空気が出ています。
また、立ち入り禁止区域の設定、そこに住む人々の生活など、実際の日本とは異なる設定がかなり存在しますが、その内容については、ほとんど具体的に説明されません。
前述の新情報拡散措置法についても、登場人物が言及する中で、視聴者が「こういうものなんだ」と何となく雰囲気で理解するものになっています。
この説明し過ぎない世界設定が、本作を魅力的にしています。結構何でもありの設定なので、現代劇として行うにはちょっと無理のある技術が結構ありますが、古いのか新しいのかよくわからない街並みが、受け入れやすくしていると思います。
終わりに
名探偵コナンや金田一のように推理の過程そのものを楽しむのではなく、堕ちるのを避けられない人間たちの物語を描いた意欲作です。
11話と短い物語ですし、淡々と進むのでかなり見やすいです。時間があるときに、まったり見るのにおススメの一作です。
それでは、また!