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きっちり爆発はやってくれるが、薄味にもほどがある 「劇場版名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)」感想

 こんにちは、榊原です。今日は、「劇場版名探偵コナン から紅のラブレター」の感想です。アマゾンプライムで見放題になっているため、未見の物を消化中です。

 コナンの映画は長いシリーズということもあり、当たりハズレが大きいですが、本作はハズレの方です。今のところ、コナン映画のワースト1です。

 つらつらと感想を書いていきますが、ラストの展開までネタバレするので、未見の方はご注意ください。

目次

あらすじ

大阪の日売テレビで突如、爆破事件が発生!


その時局内では、日本の競技かるた界を牽引する「皐月会」が開催する会見が行われており、突如の事態に大パニックに!


崩壊していくビルの中、西の名探偵・服部平次とその幼馴染・遠山和葉、2人だけが取り残されてしまうが、間一髪の所で駆け付けたコナンにより無事救出される。まるでテロのような事件、しかし犯人の目的もわからず、犯行声明すら出ていない不可解な状況に違和感を禁じ得ないコナンと平次。


そんな騒動の中、コナンたちは平次の婚約者だと言い張る女性と出会う。その名は、大岡紅葉。


「平次は幼い頃からの運命の人」という紅葉は競技かるたの高校生チャンピオンにして、未来のクイーンと呼ばれる存在だった。

時を同じくして京都・嵐山の日本家屋で、皐月杯の優勝者が殺害される。その時、殺害現場のモニターに映し出されていたのは、紅葉の姿。

そして被害者の周りにはかるた札が意味ありげにちらばっていて…

概要

 劇場版のコナンであることをアピールするかのようにテレビ局を爆破してくれますが(笑)、から紅のラブレター(以下「から紅」)は他の作品と異なり、ミステリー色の強い作品です。

 かるた業界をけん引する「皐月会」のメンバーが殺害され、犯行声明ともとれるメッセージの謎を解くため、コナンと平次が奮闘します。

 一方、平次の婚約者を自称する「大岡紅葉」の挑発に和葉が乗り、カルタで雌雄を決するために大会に出場するというのが作品の大きな軸です。

派手さに欠ける展開

 テレビ局爆破後、コナンと平次はテレビ版と同様に殺人事件の捜査を行い、静かに事件は続いていきます。

 一方、和葉は紅葉(字に起こして気づきましたが、和葉のライバルだから「紅葉」なんですね。そう考えると「葉っぱちゃん」というあだ名には、お前もだろと突っ込まざるを得ない)の対決のため特訓をしますが、和葉の能力値が高い上、特訓で能力が向上したような描写がないため、盛り上がりに欠けます。

 そう、この作品は全編を通して退屈なんです。

アクションについて

 大きなアクションは、火災が発生したテレビ局からの脱出と、決勝戦の試合会場からの脱出です。両方とも危険要素が火事のため、見ているこちらは既視感が半端じゃありません。

 この話、数件の殺人事件に火災をトッピングしているだけで、コナン映画とは思えない程規模が小さな作品です。

 マンガやテレビアニメでも遜色のない地味さなので、テレビ用の企画を映画に起こしたのではないかと疑いたくなるほどの内容でした。

真相について

 阿知波が一連の事件の犯人だったわけですが、救いがなさ過ぎです。

 妻である皐月は、敗北を恐れて名頃を殺害したのに、名頃は皐月を初恋の相手として美しい記憶にしていたって……それまで語られていた名頃と違い過ぎて、強烈な違和感がありました。あんな照れくさそうな顔する奴が「今のが何でお手付きなんじゃ!」と凶悪な顔で叫ぶのでしょうか。

 振り返ってみればきちんと憎まれて殺された人って、一人もいないんですね。特に小屋にダイナマイトを仕掛けて殺されるボディガード海江田とか、関係なさ過ぎて泣けます。

 せっかく名頃として死亡させるはずだったのに、指輪をつけていたことからあっさりと露見。何のためにこの人は殺されたのでしょうか?

終わりに

 アクションパートは派手さに欠けますし、ミステリーパートはグダグダで緊張感がありません。

 恋愛パートは、女たちだけが盛り上がって、当事者であるはずの平次が完全に置き去りにされているので、なんだかなと言う感じです。

 全体的に薄味なので、3日たてば忘れる出来です。とてもお勧めできる作品ではありません。料理や掃除の最中に聞き流せば十分だと思います。

 それでは、また!

 

  

 

ABOUT ME
榊原 豪
榊原 豪(さかきばら ごう)です。都内在住で、主にマンガ、映画、小説、アニメ等のエンターテイメントの情報を発信していきます。 楽しいこと、面白いことを探すのが好きですし、「何を『面白い』というのか?」という考察なども結構好きです。 よろしくお願いします。