こんにちは、榊原です。今日は書籍の紹介です。レジーさん著作の「東大生はなぜコンサルを目指すのか」をご紹介します。
この記事では、著者の紹介、本の概要、僕の思うところなどのあれこれを書いていきます。書籍を購入する参考にしていただけると嬉しいです。
著者について
2023年に出版されたファスト教養で著名な方です。ファスト教養も読みましたが、コスパ・タイパやビジネスに使うからという理由で、古典等の要約を求める風潮に批判的な視線を向けていた本だったと記憶しています。
批判的な視線、と言っても「間違っている!」という強いものではなく、「本当にそうなのだろうか」と今一度再考を促す感じです。中田敦彦さんのユーチューブチャンネルに対しては、紹介した内容の誤りを訂正しない姿勢に思うところがあるようで笑ってしまいました。
ファスト教養も今作も平易な文章で非常に読みやすいです。引用元となっている書籍も近年に出版され、ベストセラーになっているものが多いため、わかりやすいです。
概要
タイトルの通りコンサルという職業を中心に据え、主題としては成長と競争を強いられる風潮への批判が大きなテーマとなっています。
中でも「夫は成長教に入信している」から引用された「もっと成長して俺が生きた証を…この世界に爪痕を残したい。自分の生きている世界と生きていない世界が全く同じだったら自分の生きている意味って何なんだろうって思っちゃうんだよ!」という言葉には、ドキリとさせられる人も多いでしょう。
夢とか希望とか目標とか、夢中になっている時の熱量は凄いけど、それだけに集中する社会は息苦しいものではなかろうか、という一歩立ち止まる視点は、年齢を重ねた人は頷く人が多いと思います。
また、身も蓋もない弱肉強食論に対する批判的視点は「ファスト教養」から一貫しています。堀江貴文さんをはじめ、自己責任という言葉に終始して他者とのつながりや責任、思いやりを軽視する
「自己責任で稼ぐが勝ち」をキーワードに展開される言葉に労りや同情を大事にしない物言いは痛快な半面、単純化は危険ではないかと気づかされます。
コンサルについて
タイトルであるコンサルについても、現役のコンサルタントに対するインタビューや就職を希望する分析など、かなりの紙面を割いています。
ただ、コンサルという職業に対する意見というよりも、タイトル通りなぜコンサル業者への就職を希望するのかという切り口から、社会の風潮を分析するというのが主題でした。
そのため、コンサルという業界について知りたいとか、まさにコンサルへ業界への就職・転職を考えている方が読むべき本ではないように思います。
終わりに
前作と同様、興味深い視点からの分析と平易な文章で楽しませてくれます。あと、堀江さんや勝間さんなどの身も蓋もない自己責任論者に対して懐疑的な人は「わが意を得たり」と手をたたく内容です(笑)。
それでは、また!