こんにちは、榊原です。今日は書籍の紹介です。珪素さん著作のライトノベル「異修羅 Ⅷ 乱群外道剣」についてご紹介します。
異修羅については、以前ちょいちょい紹介の記事を書いていたので、よければ見ていただけると嬉しいです。また、話の都合上7巻までのネタバレを含むところがありますので、ご注意ください。
アニメ化について
ついに異修羅もアニメ化なんですねー。この作品の魅力は何といっても爆発的な勢いなので、映像映えするのは間違いないので、どんな形で見せてくれるのか今から楽しみです。
反面、細かく視点がスイッチするというのが難点なので、どう解消するのか。また、登場人物がとにかく多い上に、二つ名というあだ名のようなものまであるので、覚えにくいのも相当な懸念点です。
PVを見た感じは、とにかく作画とキャスト陣が凄いのでこのクオリティを保ってくれるのか要注目です。
ストーリー進行について
今作は勇者を決めるという名目で行われる「六合上覧」の十試合目となります。試合に至るまでの過程も中々長いのですが、試合に脱落した勇者候補の動向などを描いているため、ぶっちゃけテンポはかなり悪いです。
反面、各キャラクターの背景や葛藤、進み続けようとする意思などをたっぷりと力を入れて書いているため、読んでいて退屈はしないです。
戦闘描写もシリーズの中ではわかりやすくスッキリやってくれているので、何が起きているか分からない人はいないでしょう。これは、ロスクレイとソウジロウというキャラの相性の問題もあるかと思うので、次回以降はどうなるやら。
キャラクターについて
今作では、今までにほとんど描かれなかったロスクレイという人物の内面描写が多い巻でした。今までに全くないというわけではありませんが、劇団の友人からとのエピソードなど、現在のロスクレイの人格と行動を形成させた背景がとても魅力的でした。
一方、超久しぶりに出番が多いソウジロウは楽しそうに戦っていますが、あんまりぶれないキャラクターなので新しさはあんまりなかったかなぁと。元にいた世界でのやりとりは結構楽しかったですけど。アニメのPVだと主役っぽい扱いなんですが、途中で出番がなかったりするので、どうするんでしょう?
そして7巻で冬のルグニカの打倒という大金星を成し遂げたサイアノプが辛い境遇に。誇りのために戦い、勝利し、生き延びた彼は、ただ失ったという一文は、短文ながら、シリーズ屈指の名文句でした。
視点の多さについて
もはや異修羅を語る上で欠かせない視点の切り替えですが、最初期に比べると少ないからなのか、慣れてきたのかはわかりませんが、混乱はありませんでした。ただ、六合上覧という表向きのイベントに目を向けている組と、裏でうごめく陰謀に目を向けている組と分かれて、かなり話が複雑です。
ゲームオブスローンズみたいに、登場人物の相関図とストーリーの流れを1巻ごとに整理した方がちょうどいいかもしれません。僕が前の巻を読み返さないからかもしれませんが、読んでいながらも「あれ、こいつどうしてこうなっているんだっけ?」と首をひねることが数回ありました。
小説は漫画やアニメと違って映像で話を整理できないので、この辺りがネックですね。勢力図と各キャラクターの状況をちゃんと把握して読んでいる人がどれだけいるのか疑問です。
終わりに
大体今回の話で7割くらいの話は終わっているのでしょうか。まだまだ力を残している勢力がいるとはいえ、かなりの謎が解消されているので、ここからどう話を転がしていくのか。
色々と文句も言っていますが、発売しているのを確認次第、速攻で買うくらいには気に入っているシリーズなので、きちんと着地してくれると嬉しいです。
アニメ化も決まりましたし、予習という意味で読むのも楽しいですし、能力バトル好きの方には間違いなくお勧めの一冊です。是非、ご覧ください。
それでは、また!