こんにちは、榊原です。今日は、いぬまんさん画・山崎元さん解説の「株での負けを癒す脱力系コミック 株トイプ―物語」についてご紹介します。タイトルがあまりに秀逸だったので、今回はあおり文なしです(笑)。
株トイプ―物語は、こんな方にお勧めです。
〇投資をして売買したことがある方
〇株式投資をしている人の気持ちが知りたい方
目次
概要
株トイプ―物語は、ひょんなことをきっかけに株式投資を始めたトイプードル「プーちゃん」の七転八倒を4コマで描き、経済評論家の山崎さんが解説する漫画です。
圧倒的共感の嵐
プーちゃんは、大して調査をしないまま個別株(しかも変動の大きいバイオ!)にぶっこむという死亡フラグを立て、当然のように30%の含み損を出し、ストレスで老化します。
その後も、テクニカル分析の信じすぎ、上げ下げの一喜一憂など、株を始めたばかりの初心者がやる行動を一通りやってくれます。
特に「急騰株に飛びつく※」、「「落ちるナイフ(下落している株)を掴む」、「損切りした途端に上って絶望」は噴き出しながらも、自らの体験を思い出してひきつった笑いになります。
行動の一つ一つは、株を買ったことがある人なら一度は覚えのあるキツいものばかりですが、愛らしいプーちゃんがやってくれるおかげで、微笑ましく読んでいられます。
※買おうとしている株の名称が「スピリチュアルフードカンパニー」でいかがわしさ満点なのも最高!
自らの投資スタイルの見直しに最適
プーちゃんがかましてくれる行動の数々は滑稽に描かれていますが、投資経験が数年ある人でも、ついついやってしまいがちな行動ばかりです。
自分の投資スタイルを見直し、「こうしたい」と望む感情と「理屈で考える最適な行動」を再確認できます。
失敗パターンを例示列挙する投資本は数あれど、具体的に愛らしいキャラクターが損を被ってくれる本は珍しいので、非常に勉強になります。
シュールなギャグの数々
株トイプ―物語のギャグの多くは、プーちゃんのダメ行動がほとんどですが、ちょいちょい笑っていいのかわからないブラックジョークがあり最高です。
FIRE※を目指す中年男性に、「ここ20年は働いてないって言ってたから、もうFIREしてみるみたいな感じになってるよ」と言ったり、老齢の男性が、本屋で初心者向けの投資本の場所を探していると、「何の本を探しているかわかったからついてきて」と案内した先は転生小説のコーナーだったりと思わず爆笑@wplしてしまいました。
コミカルかつ適切な解説
株トイプ―物語で解説を務めるのは、「ほったらかし投資術」で超有名な山崎元さんです。プーちゃんの行動と安定した資産形成のための行動を短く、分かりやすく解説しています。
解説は勉強になりますし、時にプーちゃんに注意したり、時に褒めたりとコミカルな雰囲気が読んでいて楽しい気分にしてもらえます。
とはいえ……
「株での負けを癒す脱力系コミック」と謳っているように、株トイプ―物語はあくまでも株式投資の経験者が引きつった笑いで楽しむ「あるある本」です。
インデックス投資や投資と投機の違い、分散投資の重要性など、要点は押さえてありますが、資産運用を開始するにあたり必要とする知識量を満たしていないと思います。
これから投資を始める方には、以前ご紹介した「お金の大学」や山崎さんの「難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください」等の初心者向けの本を一冊読むことを強くお勧めします。
終わりに
友達や家族と話しにくい「株式投資」というネタについて、笑える(?)失敗行動の数々をコミカルに描き、投資スタイルを見直すきっかけになる良書です。
株をやったことがあるなら、ほぼ確実にウヒウヒ楽しめる内容になっていますので、ぜひご覧ください。
それでは、また!