こんにちは、榊原です。佐藤航陽さん著作の「世界2.0 メタバースの歩き方と創り方(以下「世界2.0」)」について紹介と感想をつらつらと書いていきます。
目次
メタバースとは?
雑に言うなら、「VRゴーグルを利用して仮想空間における生活を楽しむ」もので、メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)、マイクロソフト、アマゾンなどの超巨大企業が参入を発表している、新たなサービスです。
日本でも時々ニュースで取り上げられますが、まだまだ知名度は低く、ぼんやりとしか理解されていないところがありますが、2020年代を代表するサービスとる可能性があります。
この本は、こんな方にお勧めです。
- メタバースの概要について知りたい方
- メタバースを投資対象として考えている方
概要
世界2.0では序章、第一章でメタバースの定義や特徴という知識面について言及し、2章から5章でメタバースの発展によって世界がどう変わるかについて言及しています。
主に経済的・社会学的視点からの説明であり、技術的な視点はほぼ含まれていません。僕のような文系の男には全くありがたいことです(笑)。
いいところ
丁寧な説明
単語の定義から、現状、実用化された場合の利点、発展性など、物事を説明する上で重要なことを必要十分な分量をもってたっぷりと教えてくれます。
これを読んだ後は、メタバースについてざっくりとした説明ができるようになっているでしょう。
新聞など、定義程度走っていることを前提に書いている場合がありますので、基礎知識を整理するために世界2.0はピッタリです。
類似技術についての言及
メタバースの説明を聞いて、僕と同年代くらいの方であれば、「それって、セカンドライフじゃない?」という発想をする方がいると思います。
セカンドライフもメタバースと同様、仮想空間における生活を楽しむサービスとして、15年ほど前に話題となったからです。
世界2.0ではセカンドライフがなぜうまくいかなかったのか、メタバースはどう改善されているかを説明しています。
この辺りは、30代後半以上の方であれば懐かしい気持ちになれます。
課題について
現状のメタバースの課題についても整理して書かれています。個人的に一番大きいと感じたのは、VRゴーグルを身につける習慣が一般化されていないことですね。
携帯が普及し始めた時も、電車で携帯をいじっている人間は奇異な目で見られたものですが、2022年現在で朝の通勤車両を見渡した時、起きている人はほぼ携帯端末を手に持っていますが、VRゴーグルを被っている人間が電車にいたら、間違いなくドン引きされることでしょう。
携帯電話からスマートフォンに移行するときは、携帯の感覚で簡単に来ましたが、あちらはそうもいかないでしょうね。
イマイチな点について
少し夢を見過ぎでは?
世界2.0ではメタバースの革新性と可能性について大きくページを割いていますが、最終的には世界の可能性を変えるとまで記述しています。
インターネットやスマートフォンの普及によりビジネスや生活は大きく変わりました。メタバースも定着すればそれらの技術と同様のことが起こりうることについては同意しますが、あくまでもサービスの一つであり、少々過大評価であるようにも感じます。
人によっては、メタバースに対する期待の大きさが少々鼻につくのではないかと思いました。
終わりに
約300ページと、入門本としては厚いかもしれませんが、その分詳細にわかりやすく説明してくれます。
メタ・プラットホームズが社名をフェイスブックから変更するなど、どんどん話題になってくるサービス化と思いますので、世界2.0で基本を押さえておくことは有用と思います。
それでは、また!